12◇イブ ページ13
12月24日が来た。
外にでてないけど、駅前とかはイルミネーションでごてごてに飾られてるんだろうな。って。
「ケーキ買おうよ」とやかましかったテヒョンは「どうせ食べれないじゃん」とスルー。
お母さんはテヒョンと付き合っていた頃とはまた違う彼氏と一緒にいる様で、今日明日は家を空けると言っていた。
クリスマスと言っても何も変わらない。
そろそろ学校は冬休みに入った頃かな。
そう思った矢先。来客を告げるインターホンが鳴った。
いつもの様にネット通販ヘビーユーザーのわたしの何かしらの荷物だろうと一階のオートロックについているカメラに映る映像をのぞけば。
そこにいたのは見慣れたどの制服を着た人でもなく。
「………ユンギだ」
わたしの後ろからテヒョンも画面を覗き込む。
ふらふらとリビングに戻ってしゃがみこめば「会わないの？」とテヒョンが問う。
「……誰にも会いたくないもん」
「けど折角来てくれたのに」
「怖い」
何が怖いのか分からなかった。
けど、こわい。それにこんな情けない自分だって見せたくないって。ちっぽけでくだらないプライドも言う。
ユンギは中学からの同級生だ。
きっかけは普通によく話す様になった。くらいだったけど。テヒョンよりも距離は近かったし以前なら1番仲が良かったと思う。
同じ目線にテヒョンもしゃがみ「あの人になら、Aも本当のこと話せるんじゃない？」
中学のころも今ほどではないけど休みがちだったわたしのそばに寄り添ってくれたのはユンギだった。
少しだけ。迷って。
けど、部屋着のまま家を出た。
ちょっと時間が空いたからもういないんじゃないかと思って。
けど。
オートロックのガラスの向こう。スマホに視線を落とすいつもは制服だけどぐるぐる巻きのマフラーとコート。
見慣れた後ろ頭。
……よかった。いた。
「ユンギ………っ、」
小走りに走り寄り、その手を引けば、振り返った彼にまた勝手に泣いていた。
そう言えば今日朝薬を飲んでない。って思い出す。
テヒョンに触れることが出来なくなって初めて。
わたしを受け入れてくれる存在にしがみつけば。ユンギもわたしの体に腕を回し、嗚咽を漏らすわたしに「しんどいな……」とその低い声で呟いた。
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ミサモ - いい話でした!(泣)もう感動しすぎて涙がでました(泣)こんなすんばらしい話僕は思いつきません。素晴らしい話をありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2020年1月1日 20時) (
レス) id: 592a6abe49 (このIDを非表示/違反報告)
しろい(プロフ) - さっちゃんさん» さっちゃんさん〜！！お久しぶりです！ぴんぴんしてます〜(*^^*)久しぶりに文字を書いたので我ながら下手になったなと思いましたがそう言って頂けてちょっと安心です！さっちゃんさんに2019が終わる前に会えてしろいも幸せです(*´`*)全部うれしい… (2019年12月31日 9時) (レス) id: c91a121712 (このIDを非表示/違反報告)
しろい(プロフ) - あがしおんさん» ありがとうなんてとんでもないです…！こちらこそ読んで頂きコメントまで感謝しかないです。どんなに苦しくても時間がかかっても何処かで前を向けたらいいな、って思います。 (2019年12月31日 9時) (レス) id: c91a121712 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - しろいさん！お久しぶりです(^^)お元気でしたか？？またこうやってお話を読む事が出来て幸せいっぱいです(;;)このお話初っ端から悲しすぎたんですが、最後まで胸が締め付けられる感じでした…でもやっぱりしろいさんっぽい！お話の書き方大好きです(泣) (2019年12月30日 23時) (レス) id: 77a52bcd61 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 心に染みるお話でした。この世界で巡るものすべて有限なのですから、あまりすがり過ぎてもいけませんね。素敵なお話ありがとうございました！ (2019年12月30日 20時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪
| 作成日時：2019年12月27日 12時
