3.殴った手でも愛してくれる ページ4
キヨside
やぁみんな、キヨだよ((()
最初はなんかぶつかったことに「面倒くせえ」
って思ってた。
でも、顔を上げた時に見た大きい目…容姿に惚れてしまった。
だから家に呼んだんだ。
最初は高校生だと思っていたが、俺らと同い年らしい。
もう帰るってなった時にフジがIDの紙を渡した時
「こいつ…」って思ったけど「俺とキヨの」って言ってたから許してやった。
「…Aちゃん遅いねー」
「…そうだな。」
確かに遅い。
それに引っかかることがある。
俺が「泊まってけ」といった時、見たことがないぐらい青ざめていた。
…俺がそれを暴いてやる。
Aside
『いっ、父さ…やめっ』
「うるさい！！父さんとよぶなといっただろう！」
ああ…今日もこれか。
お湯がなみなみの浴槽に頭を入れられる。
母さんは仕事。
誰も助けてくれる人なんていない。
父さんはびしゃびしゃに濡れた僕を風呂場に捨て、リビングへ帰った。
タオルで拭きながらリビングに行くと父さんがすごく心配した。
「A！そんな格好でいるんじゃない！風邪をひくだろう！」
抱きしめられる。
だから僕は父さんを憎めない。
『うん…ごめん父さん』
抱きしめる力が強くなる。
温もりを感じる。
例え僕を殴った手でも、愛してくれる。
だから父さんが好きなんだ。
「もう寝なさい。」
『……はい。』
見ての通り、父さんは情緒不安定に近い。
母さんは仕事、妹は故人。
父さんがこうなったのは、妹が死んだから。
母さんは僕を妹より愛し、父さんは僕より妹を愛していた。
だからダメージが大きかったんだろう。
『……あっ、ID…』
寝る前に少しだけ…少しだけなら大丈夫。
そう言い聞かせるようにIDを登録した。
_________________
なかなか狂った家族関係です。
こういうのが描きたかったんじゃい()
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作者名：歌詠鳥 | 作成日時：2018年1月11日 13時
