30.Maybe…そう、多分。 ページ1
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ーーーーー…さん。ーーー…のさん。
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あぁ、なんで今日はこんなに暑いんだろう。確か今朝見たお天気お姉さんは
少し嫌そうな表情を浮かべて、『今年一番の真夏日になることでしょう』なんて
あぁ、そんなことを。言っていたっけ。
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ーーーー…せの、さん。ーーーー…さん。
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なんで今日はこんなに目が冴えているんだろうか。あぁ、そうか。
ここ最近、早起きをしていないからだ。ここ最近、疲労が溜まっていないからだ。
1人分の、それも注文が細くないご飯を作ればいいだけだからだ。
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智「…瀬野、さん！」
「へっ！？ぁっ、あ、すみませっ…！ごめんなさい、あの私」
智「珍しいですね。瀬野さんが仕事中にボケーってしてんの。いっつも俺がボケーってして怒られてんのに(笑)」
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気を遣わせてるな。って、肌身で気付いた。
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仕事中。ウチの会社は化粧品を手がけている会社で。しかも私は企画部所属なもんだから
たまぁに、個人経営であるデザイン会社に相談を持ちかける。
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今日は、そんな日だった。
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個人経営、って言うからウチみたいな大企業と取引はそんなにしないし、相手にもしないのに
彼ーーー…、大野智さんは社長となんだか色々あるらしくて
私がここに勤めるようになる前から、なんだか取引を行っていたらしい。
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「えっと…、それで。あの、」
智「顔色。悪いですね、冷や汗？も掻いてるし」
「え、嘘…」
智「うん、嘘」
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大野さんは、ポンッ。と無造作に発せられたその言葉に何も言えない私を見て
んふふー、って笑いながら、私が作成した企画書を片手に私が淹れたコーヒーを啜り
うん。って意味ありげに頷く。
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智「いいと思う。デザインの企画は」
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コトン…。と白いコーヒーカップが置かれる音が、やけにリアルに鼓膜を揺らす。
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智「瀬野さんには、問題アリアリみたいだけどね」
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私は、この人が大の苦手だ。
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