嘘コク野郎を落とす方法10【桃】

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ころん先生と別れて図書室に入った私はそっと息を吐いた。


なんか、最近疲れるな……。


いつもなら図書準備室に直行するけれど、さっきのこともあって行きづらい。


私はそのまま図書室の窓際の席に座って問題集を開いた。
パラパラとページをめくってみるものの気が乗らない。


今日はダメだな……。
そう思い顔を上げたら正面の席に人が座っていることに気がついた。


「あ、やっとこっち見た」


「蓮くん」


私の前に座るこの子は一年の図書委員の子。


人懐っこくて、最近よくこうして話しかけてきてくれる。


「先輩にこの前勧められた本読み終わりましたよ」


「え？ もう読んだの？ 早いね」


「もう、面白くって！ 一気に読んじゃいました」


笑って本の感想を言う彼に少しだけ癒された。


そのまま蓮くんと最近読んだ本や、好きな作家の話で盛り上がる。


あまりこの学校でこういった話ができる人はいないから楽しくてつい夢中になってしまった。


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