嘘コク野郎を落とす方法5【桃】

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その言葉を聞いて、莉犬がなぜここに私を連れてきたのか分かった。


小さく深呼吸すると、私は正面から莉犬を見つめた。


「ごめんなさい。
莉犬の気持ちは嬉しいけど、私はこれから先さとみくん以外の人を好きになれない」


「うん。 ありがとう」


振ってるのにありがとうなんて、変だよ莉犬……。


「ワガママだけど、これからも俺と友達でいてくれる？」


そう言って寂しそうに笑う莉犬の手を握る。


「当たり前でしょ」


「うん」


「私と莉犬は一生友達なんだから」


もしかして私は、すごく残酷なことを莉犬に言っているのかもしれない。


そう思っていたら、莉犬が声を出して笑った。


「そうそれ。 俺、Aのそういうところが好きなんだ。
真っ直ぐで裏表がないところ」


「そんな、私なんて……」


いつも余裕がなくて、自分のことでいっぱいいっぱいなのに。


「一生友達か……。
恋人や夫婦ならいつか別れるかもしれないけど、俺らはずっと一緒だな。 ある意味最強かも」


「うん」


「まあ、さとみは何があってもAのこと離さなそうだけどな」


そう言って莉犬は笑った。
その笑顔は全てが吹っ切れたかのように晴れやかだった。


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