嘘コク野郎を落とす方法5【桃】

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あの事件から一週間。
いろいろな事後処理も終わり、吉野くんの退学が決定した。


夏休み中ということもあって大々的には公表されていないけれど、新学期になってももう彼は学校へは来ない。


ようやく平穏が訪れたある日。


今日も私とさとみくんは、図書準備室で夏休みの課題に取り組んでいる。
莉犬はその日によって、来たりこなかったり。


「え？ 夏祭り？」


「そう。 俺の地元の神社で毎年大きなお祭りがあるんだ」


休憩中、さとみくんが紙パックのジュースを飲みながら話す。
いちごミルクなんて、この暑いのによくそんな甘ったるいもの飲めるな……。


「ジェルの家も毎年屋台出したりしてさ。 楽しいから一緒に行かない？」


「ジェルくんにも会えるの？ 行きたい」


「……なんかAちゃん、祭りよりジェル目的になってない？」


「自分からジェルくんの名前出したくせに、ヤキモチ焼かないでよ。 めんどくさい」


ジェルくんとは以前相談をして迷惑をかけて以来だから、もう一度ちゃんと謝りたいと思っていた。


「そのお祭り、僕たち教師も見回りで行くよ」


話を聞いていたるぅと先生が会話に加わる。


「え？ そーなの？」


「うん。 お祭り二日間あるでしょ？ 僕ところん先生は二日目担当」


「じゃあ一日目に行こうぜ、Aちゃん」


「え。 私、先生たちにも会いたいから二日目がいい」


そう言ったら、さとみくんは項垂れた。


だっていつもと違う場所で知り合いに会うのって、なんだかワクワクするじゃない。


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