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五十六話 ページ9




side 翠


今日はオスマンとマナブが関西に来れるから連れてくるわ、ってグルさんの言葉にメンバーがほぼ全員集まった。

オスマンは昨日実家に泊まって直接来たから、後はグルさんとマナブを他全員で待ってる状況。
先に食ってていいって言われたから、左に居るシッマに食わせつつ右に居るショッピ君にも食わす。
いやぁ、やっぱ食害楽しいわぁ。

それにしても、トントンだけさっきから落ち着かないのかソワソワしとるんよな。しきりに時間確認したり、戸の方見たり。

オスマンとも久しぶりに会ったし、この人数で集まれるのもなかなか無いから騷しい。イイゾ〜!



さぁ、食えよシッマ、とか言ってたら戸がノックされてバリトンボイスが響く。


「入るゾ」


声がしてすぐ開いた戸の先を全員が見ると、見慣れた顔の奥にひとりの女が居った。場が静まり返る。

…女?え、マナブが来るんちゃうん?

女は不安そうな顔を覗かせると、一番奥に居る大先生を見付けた。まぁ目立つよな。顔でかいし。

ちなみに大先生が座っとる側は入口の対角やからよく見えるやろうけど、俺が座っとる側はあんま見えん。
トントンなんて入口側の奥やから一番見れへんちゃうんかな、とか思ってたら反対側から声が聞こえた。


「…Aさん?」

『…え、茶倉さん!?』

エミさんはこの人の事知っとんのか、呼ばれたマナブ(仮)は声を出した。なんや、やっぱただの女やん。声がマナブちゃうもん。
やけどそのマナブ(仮)の声に、俺の右で固まっていたショッピ君が我に返ったように口を開いた。


「…A、さん…?」


A、と呼ばれた女は、エミさんに呼ばれた時と違った反応でショッピ君を見やる。


『……れ、いさ…』

言いながら、血の気が引いた様に青くなっていく顔。


『…すみません。やっぱり私、帰りますっ』

踵を返しながらそう呟く声は震えていた。




「Aちゃん!!!」

オスマンが慌てて追っていく。

やけどオスマンと同時に、俺の右でも小さく声が聞こえて動く気配がした。

数秒後トントンが立ち上がり、ふたりを追いながら俺の耳元で囁いた。

「ゾム、ショッピ君を頼む」







…ああ、もしかして。



ショッピ君が溶けた顔で話していた、好きな人って。






 

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まうる - トンママがトンママしとる......... (2019年9月9日 2時) (レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - 和夢さん» コメントありがとうございます!一応次のお話で書くつもりですが、本人から辛いから聞いて知ってる感じです!童貞のはずなのに完全にママで性別が迷子です! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
和夢 - トントン…最初に女の子の日って気付くなんてお前童貞やないのか!? (2019年6月7日 17時) (レス) id: 926cbb72e4 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - 黒月(ブラックムーン)さん» 全然大丈夫ですよ!体も負担かからない程度に頑張ります。ありがとうございます! (2019年6月1日 3時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
黒月(ブラックムーン)(プロフ) - yanochinさん» 今改めて自分の文面見たんですけどうるさいですね...。更新頑張って欲しいですけど、体壊す人も居るみたいなんで無理しないようにしてくださいね~ (2019年5月31日 22時) (レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yanochin | 作成日時:2019年5月27日 20時

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