【wrwrd】新メンバーに騙されてた件について。�供�syp.all】

五十五話 ページ8

､






怜さんに告白された。


好きな人も同じ気持ちでいてくれた事が素直に嬉しくて。


…でも、私のどこを好きになったんだろう。
怜さんの前で、まだ私の全てを出してない。
余所行きの私、なのかなぁ。




自意識過剰だと思ってた。連絡をくれるのも、ふたりで遊びに行くのも、友達なら当たり前のことで。
でも至近距離で写真を撮ったり、部屋に上げてくれたり、手料理食べたいって言ってくれたり。他の女性よりは近くにいるなって。


私のことが知りたいって言ってくれた。
過去を、受け止めようとしてくれてるってことだよね？


三回目のデート神話、なんてものがある。

三回目のデートでどちらかが告白して結ばれる。
結ばれなければその恋は終わりだと。

普通の女性なら、喜んで付き合うんだろうな。



…私はこれから怜さんに、本当の自分を見せて、その上でこんな私でもいいのか、受け止めてもらえるのかを確認しなくちゃいけない。

自分の言葉で、本当の声で、過去の話を。


過去にお付き合いした人と、怜さんは違うと信じたい。
あんな、上辺だけしか見ずに声を聞いたらサヨナラなんて、そんなの辛すぎる。



中学の初恋も、高校で告白された人も、大学で付き合った人も、声を受け入れてくれなかったから

学生時代とは違う、怜さんは大人で。
…信じて打ち明けても良いですか。









『…あんまり眠れなかったなぁ』


一晩考えてたらなかなか眠れなくて、朝鏡を見たら隈で凄い顔だった。

これからグルさんとマンちゃんと甘いもの食べに行くのに、この顔じゃ何言われるか…

グルさんにメンバー入りの件も話さないとだし、早めに準備終わらせちゃおう。


化粧で隈を誤魔化し、着替えて髪を整える。

…昨日貰ったイヤリング、つけようかな。小さくて目立たないし。



最寄りの駅前で待っていると、車でグルさんが迎えに来た。慣れたように後部座席に腰を下ろす。

『こんにちは』

「おう、会うのは久しぶりだな」

『ですね。…そんな事より』

「話したい事はわかるが、その件は店で話そう。オスマンが先に行って待っとるから」


車を走らせて一軒の店の前に着く。…ここで甘いもの食べるの？

嫌な予感がする。

取り敢えずグルさんに続いて店に入り、ひとつのドアの前に着いた。

…中、騒がしいんですけど。確実にマンちゃん以外にも人、いるよね？


「さ、入るゾ」

『待って心の準備できてな…』


…こいつ嵌めやがったな。





　

五十六話→←五十四話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す