【wrwrd】新メンバーに騙されてた件について。�供�syp.all】

九十六話 ページ49

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「Aちゃーん！あそぼー！」

「こら、Aおねえちゃんは仕事してるから邪魔しちゃダメやろ」

『アカリちゃん、ごめんね？また今度あそぼうね！』


体調も快復し、お盆も過ぎ、今月も2週間を切った。
今日は珍しく女将さんと旦那さんの息子さんである桔梗 渉(ききょう わたる)さんと、渉さんの娘ちゃんのアカリちゃんが店に遊びに来ている。


『お盆お疲れ様でした。大変でしたよね？』

「まさか親より先に嫁の新盆やるとは思わんかったですわ…」


渉さんの奥様は、35歳という若さで、渉さんとアカリちゃんから離れていった。
アカリちゃんもまだ3歳で手がかかるし、渉さんも仕事がある。新盆が終わって一息ついたこのタイミングで、実家に戻ろう、という話をしに来たんだよね。

それはもう、ほぼほぼ決定事項。
渉さんの仕事が終わらない時は店を一度抜けて幼稚園まで迎えに行けるし、そのまま店でご飯も食べられる。

シングルファーザーって人手が足りなくなるとか聞くし、私は家に行くわけじゃないから店でしか手助けはできないけど、少しでも力になれたらいいな。




「こんばんはー」

『鈴木様紫ノ塚様、いらっしゃいませ』

「いらっしゃいませ！」

「アカリだめやろ！すみません」

「あ、もしかして君が息子さん？」

「はい、桔梗渉と申します。両親がいつもお世話になっとります。」

「大変やったな、若いのに…昔の知識やけどうちも娘居るから、何かあったら話聞きますから」

「ありがとうございます。」


店でも最近は喋るようになった怜さんも、人見知り発揮してあんまり喋らないな…


『おふたりとも、いつもので？』

「あぁ、お願いします。」

「おにいちゃん、アカリとあそんでくれる？」

「ちょ、アカリ！」

「大丈夫ですよ。アカリちゃん？兄ちゃんと遊ぶか？」

「おえかきしよ！」

「ホンマすみません…アカリ、お兄さん困らせたらアカンよ？」

「だいじょーぶ！」

「あ、俺煙草吸うんですけど臭いとか大丈夫ですかね？」

「気ぃ遣っていただいてすみません…煙草は大丈夫です、俺も吸うんで臭いくらいなら」


人見知りでも子どもが間に入ると話題ってできるものだから、普通に喋ってる。
怜さんがメンバーや鈴木様以外の人と喋ってるのってなかなか見れないから新鮮でいいかも？




　

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