五十一話 ページ4
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side 紫
館内を一通り見てまわり、出入り口近くの売店まで降りてきた。
何か買おうか、なんて話しながら歩く。またお揃いのキーホルダーでも買って鍵につけようか。
水色とピンク、色違いでふたつのイルカを買った。
ゲーセンで取った猫とは違う、ちゃんとお揃い用のキーホルダー。
後でつけよう、鞄に入れとくね、と言ってAさんは袋を仕舞った。
「ぬいぐるみ、ええの?」
『んー、こういう場所のぬいぐるみって高いから…』
「買ってあげるけど」
『いや、それはいい!それなら自分で買います!』
そして再び売店に入り、今度はぬいぐるみを見てまわる。
ショー観たし、イルカにするかな?やけどキーホルダーもイルカやしな。
『あ、これ可愛い』
そう言って彼女が手に取ったのはペンギンのぬいぐるみ。
「…ペンギンはやめとけ」
何で沢山種類ある中から選ぶのがペンギンやねん。ペンギンと言ったらエミさんやん。…やっぱ無いわ
「こっちのが可愛いで、ほら」
『あっ、確かにこれも可愛い!』
近くにあった真っ白なアザラシのぬいぐるみを手に取って渡したら、案外気に入ってくれたみたいや。
『これにする!買ってくるね〜』
買い物も終わって、施設を出るとまた雨が降っていた。
『小さいけど入れといて良かった、はい』
鞄から折りたたみ傘を取り出し、空いた半分に入るように促す。
「準備ええな」
『そりゃ雨の予報出てれば持ってくるよ。ごめんね狭くて』
「いや、逆にありがとな。傘俺持つで、片手空いてんと危ないやろ」
左手にぬいぐるみの袋を抱えてたから、右手から傘を取り上げた。
『あ、ありがとう』
これ、相合傘やんなぁと思いながら車までの距離をゆっくり歩いた。
『ごはん何処で食べようか?』
「Aさん食いたいもんないの?」
『普段あんまり外で食べないからなぁ…』
「…あ、俺食いたいもんあったわ」
『お、なになに?』
「Aさんの手料理」
『え"』
「今レシピ考えとんのやろ。試作品でもええから食べたいなぁ〜?」
『いや、まだ人様に食べさせられる出来では…』
「素人の意見も大事、さぁ行くでスーパーへ!」
『…まったく、強引だなぁ…』
しょうがないなぁ、と言いながら車を走らせるAさん、やっぱ優しいわ…
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まうる - トンママがトンママしとる......... (2019年9月9日 2時) (レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - 和夢さん» コメントありがとうございます!一応次のお話で書くつもりですが、本人から辛いから聞いて知ってる感じです!童貞のはずなのに完全にママで性別が迷子です! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
和夢 - トントン…最初に女の子の日って気付くなんてお前童貞やないのか!? (2019年6月7日 17時) (レス) id: 926cbb72e4 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - 黒月(ブラックムーン)さん» 全然大丈夫ですよ!体も負担かからない程度に頑張ります。ありがとうございます! (2019年6月1日 3時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
黒月(ブラックムーン)(プロフ) - yanochinさん» 今改めて自分の文面見たんですけどうるさいですね...。更新頑張って欲しいですけど、体壊す人も居るみたいなんで無理しないようにしてくださいね~ (2019年5月31日 22時) (レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yanochin | 作成日時:2019年5月27日 20時