二十六話 ページ28
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side 紫
最後にあの店に行ってから、約一ヶ月半。今日まで残業と休日出勤を重ねて、漸く平穏を取り戻した。
うちの会社にも新入社員が入り、また一層賑やかや。
まだ、白眼が澄んで、黒眼が輝いている。
まあ、うちはホワイトやから死んだ魚の様な眼になる人はあまり居らんけど。
この会社に入れた事、感謝するんやで。
今までの忙しさで忘れとった…というか、忘れようと努力した結果、3月中はすっかり忘れとった、あの店の存在。
いや、正確には店の存在は忘れとらんけど、Aさんの事を忘れないと仕事が手に付かんと思って頑張って忘れた。
平和になって上司と話すと思い出す。
「紫ノ塚、今日行くか？」
「あ…すみません、今日はちょっと予定があって…」
「何や、折角Aちゃんに会えるんに。まぁ用事ならしゃあないな」
「…課長、やけにAさんの事推しますよね」
「そりゃ前から合いそうやと思っとったしなぁ。…ホンマに考える気あらへんか？」
「良い人だとは思いますけど、よく知らんですし…」
「…俺な、ちょっと聞いたことあってん。Aちゃんの昔の話。」
関東に居った時の話と、その経験を踏まえて関西に越してきてからどんな生活をしてきたか。
それとあの店に入った経緯。と、過去の恋愛の話。
Aさんは上司にそれぞれを掻い摘んで話してくれたらしい。
「その話を聞いた時に、この娘には幸せになって貰いたいって本気で思ってん。何やろな、絶対にええ奴見付かるから、って言ってしもたんよ」
「紫ノ塚が俺の部下になって、仕事通して接していくうちに、あ、コイツやって思ったんや。」
実際の娘よりAちゃんの方が娘みたいやわ、って上司は柔らかく笑った。
上司のその顔は本当にAさんの事を父親目線で愛しいと、幸せになって欲しいと。
その相手は他の誰でもない、
「…まあ、無理にとは言わんよ、これは俺のエゴやから。実際二人には二人の好みとか他にも色々あるしな。頭の片隅にでも置いといてや」
「もしAちゃんの事良いなと思うなら俺は全力でサポートするで。」
「過去の話は俺の口から話していい事ちゃうし、これは本人の口から話して貰うんやで。」
Aさんの過去の何が、この上司をここまで言わせるのか。
ここまで言われて気にならん方が可笑しいやろ。
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黒月（ﾌﾞﾗｯｸﾑｰﾝ）(プロフ) - 続編ありがとうございます！最初の台詞なんですけど、、、エミさんでは？敬語やし、納得っていうのは前からの知り合いだから、、、と思ったんで。続編も更新がんばれください←（くださいって付いてるから敬語と信じて、、、） (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - キョウヤさん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 主の気持ちなんかちょっとわかる。自分も声低いのちょっとコンプレックスだから。この小説面白いっす!頑張ってください! (2019年5月27日 23時) (レス) id: 665ea8b906 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - HAKU猫の夏さん» コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
HAKU猫の夏(プロフ) - あ。なんか好きっす、頑張れください。 (2019年5月27日 20時) (レス) id: 1e7a204824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yanochin | 作成日時：2019年5月12日 0時
