嘘つきな君へ (ページ6)

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６（Fside）ページ6

次の日…

渉に連れられていった窓際の席

「あ、横尾さん！」

「いらっしゃい。今日は午後から？」

「うん。厨房には慣れた？」

「まあね。元々厨房希望だったしね。」

「横尾さんの料理美味いもんなー。」

目の前で繰り広げられる会話に、ちょっと疎外感を感じながら聞いていた

渉のエプロンをちょんちょんと引っ張ると、宏光がちらっと俺を見た

「あ、こいつね、ミツと話がしたいんだって。」

「ちょ、ちょっと渉っ！」

もっと気の利いた紹介の仕方があるだろ、って渉を睨んだら

「北山宏光です。よろしくね。」

宏光が弾けるような笑顔で名前を教えてくれた

「あ、藤ヶ谷太輔です。よ、よろしくお願いします！」

想いがやっと叶って、緊張しまくる俺に宏光は優しい笑顔で俺を見上げた

「たいすけって、どんな字書くの？」

「あ…えっと…太陽の太に、車偏…」

「太陽か…」

「あ、はい…」

「良い名前だね。藤ヶ谷くんに合ってる。」

「そ、そうですか…？」

「だって、藤ヶ谷くん、太陽みたいにキラキラしてる。」

トクン

心臓が小さく跳ねた

それは今まで経験した事のない胸の鼓動で…

そう、まるで…

天使が小さな鐘を鳴らしたみたい

「藤ヶ谷くん？どしたの…？」

「あ、いえ…北山さんは…ひろみつって、どんな漢字書くんですか？」

「あぁ、俺はウ冠の宏に光りで宏光」

空で動く宏光の綺麗な指をじっと眺めていた

宏光の周りは窓から差し込む光で溢れていて…

まるで大きな光に包まれているみたいだった

広くて大きな光…

暖かくて美しい…真っ直ぐな光…

「北山さんにピッタリな名前ですね。」

んふふって笑う宏光が…

俺には光の天使に見えたんだ…

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