音に込められた思い【実況者】*リクエスト募集中* (ページ16)

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ひとりっぼっちおおかみ＠牛沢ページ16

俺は、獣人に生まれた
それも、狼だよ
みんなに嫌われるし、避けられるし
ほんと、最悪だよ・・・

「おおかみだー、狼が来たぞ」

また、言われた
やめてくれ
ずっと、ずっと徨い続けてた
俺、馬鹿みたいじやん
俺のこと見てくれるなんておもっちゃうじゃん
少し期待しちゃうじゃん

ばかげたことを言う
羊飼いのキヨ
嘘ばっかりで世界を作ってた
愛するひとを守るためらしいけど
そんなことに俺を使わないでよ

「狼がきたぞ」
キヨがそうやって口にすると
みんなが悲鳴をあげて逃げてくんだ
うるせえな、少し静かにできねえか？

「食べられちゃうぞ」
嗚呼、聞いてくれよな
俺、野菜しか食べられないのに・・・
ほんと、威張れる強い心もないんだよ
優しさで埋まってたいんだよ

あのバカあのバカ(キヨ)から逃げてきて
疲れた瞳に写ったのは
獣人のこやぎ達
「狼に気を付けなさい」っとでも言われたかもしれない
でも
おそったり、食べないから
そばにいさせてくれないかな？

声をかけようとすると
「死にたくないよ！」とヒラが叫んだ
すると
こーすけと、フジが駆け寄ってきて
俺を睨むんだ
なんでそんな目で俺を見るの？
居場所はないことわかってるけど
改めて気付かされて
本気で泣きそうなんだ

「もういいや」
疲れ果てた俺は切り株に腰を掛けた

すると、赤い頭巾を被った幼い少女
きっと赤ずきんって呼ばれてるAだろう
Aが、俺に気づいたのかこっちに走ってくる
きっとAも一緒なんでしょ？

「狼が来たよ！」

聞き慣れた言葉
でも、なんかちげぇんだ
目を輝かせて俺の手を握る
希望の笑顔、
太陽みたいに明るくて
救われたんだ、こんな俺が

ずっとずっと寂しかったんだよ
ほんと、俺って情けないな

暗闇は、もう俺には必要ないから