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「・・・太宰」
「少し、話そうか?中也」
俺たちは、外にある木の下に移動した。
「・・・ひさし、ぶりだな」
「そうだねぇ〜。できたら、会いたくなかったけど」
「それは、俺のセリフだ」
「・・・Aのことでしょ?」
「・・・あぁ」
少しだけ、二人の間に沈黙ができた。
しかし、それを中也が破る。
「・・・なんで、わざとあんな態度とるんだよ」
「おや?気づいていたのかい?」
「元相棒なめんな」
「・・・彼女には、嫌われなきゃいけないんだ」
「・・・なんで」
「約束だから」
そう、これは約束だ。
織田作と私との。
最初は、ただ、彼女が怖くて嫌われたかった。
いや、なんとなくそうしなければいけないと思っていた。
だけど、ミミックのことが起きる前に織田作に言われた。
『お前、Aにひどい態度とってるんだってな』
『・・・まぁね』
『お前には・・・悪いが、これからもそうして欲しい』
『は?』
『お前は、あいつにとって最悪の存在であってほしいんだ』
『なんで・・・』
『あいつが、辛いことから逃げないように』
『お前が、あいつのこと好きなのは、わかってる』
『な、そんなはずないよ!!!もう、織田作ったら!!』
『・・・じゃあ、なんで泣いてんだよ』
私は泣いていたのか。
久々に泣いた。
好きな人に嫌われなくてはいけないから。
死にたくない。この人のためにいきたいと思える人に会えたのに・・・・。
『っ・・・』
『あいつの居場所は、きっとマフィアしかない』
『・・・』
『お前は、いずれ光の世界に行くだろう。そのとき、Aがお前といたい思ったり、どちらの世界にもいける状態だと・・・あいつは辛くてたまらなくなる』
『・・・』
『だから・・・頼む』
『君は、ひどい男だね』
『好きな女のためだからな』
織田作・・・・。
私は、君との約束。守るからね。
「お前、それでいいのかよ」
「・・・さぁね」
「俺が・・・お前の気持ちに気づいてないわけねぇだろ!!!見てて・・・つれぇんだよ」
「でも、これだけは・・・どうしようもないだろ??」
「そんなこと・・・」
「そんなことあるんだよ!!!私だって、彼女に優しくしたいさ!!!普通に話したい!!!でも、ダメなんだよ!!!彼女は、優しすぎるから・・・私のホントの思いに気づいたら気を使ってしまう!!!それじゃダメなんだ!!」
太宰は、悲しそうに呟いた。
「この思いは・・・彼女には言えない」
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bhuriltuzimkuti(プロフ) - 続編_|\○_オネガイシャァァァァァス!!【ガチ(真顔)】 (2018年3月3日 15時) (レス) id: 0224ab7056 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - オチは中原さんでお願いします!m(__)mq(^-^q)続き頑張ってください! (2018年2月24日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - 続編でオナシャス!!!!! (2017年1月18日 22時) (レス) id: 3f93ce7449 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 続編でお願いします【必死】 (2016年11月7日 17時) (レス) id: baa63a6d65 (このIDを非表示/違反報告)
紅錬覇 - 続編がいいです (2016年8月25日 20時) (レス) id: c9bd631ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔。 x他1人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/saku_uratsuku
作成日時:2016年7月9日 22時