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第2話【鬱さん】 ページ3

・・・




夕陽が沈み、段々暗くなっていく道を
トントンさんと二人で歩く。




『トントンさん家の晩ご飯は何ですか?
 うちはカレーなんです!』




tn「奇遇やな。うちもカレーや」




『カレー美味しいですよね』




中辛と辛口を混ぜたぐらいが程よい辛さで、
私はその辛さが好きだ。




tn「二日目のはコクが出とって更に美味しいやんな」




『分かります!美味しいですよね』







そうこうしていると、トントンさんが
住むアパートに着いてしまった。




tn「もう着いたんか…もっと話したかったんやけどなぁ…」





『次お会いした時は、沢山お話しましょうね!』




tn「そん時はゆっくり話そうな」




またな。と手を振るトントンさんに
手を振り返すと、何故か笑われてしまった。




トントンさんの姿が見えなくなると、
暗くなった帰路を今度は一人で歩いた。



・・・・・



「お一人ですか?お嬢さん」




突然、群青色の髪をした男性が3回転して
近づいて来る。男性は跪き、私の手をとった。




「僕は鬱って言います……って、
 ………えっ?…Aちゃん!?」





『鬱さん、お久しぶりです』




会ったのは1ヶ月振りくらいだろうか。
何をしていたのかは知らないが、
目の下の隈が濃くはっきりとしている。




ut「もう暗いし、女の子一人は危ないで。家まで送るよ?」




そう言うと、さらっと袋を持ち前を歩く鬱さん。




『大丈夫ですよ。一人で持てますから』




レジ袋を取ろうとするも、駄目と言われる。




ut「結構重いやん…無理したらあかんよ」




『……ありがとうございます…』




女の子って言われても、子供じゃないし…
子供やけど小さくないし……自分で持てるのに…




頭の中がモヤモヤするが、これは彼の
善意だからと有りがたく受け取ることにした。





「…好き」





『え?何か言いました?』




ut「ただの独り言」




鬱さんが何か言ってたみたいだけど、
よく聞き取れ無かった。聞いても何でもない。と返されるだけ。




ut「ほら、もうすぐ家やで!」




すぐ誤魔化そうとするのは鬱さんの悪い癖だ。




『もう家ですし私が持ちますから!』




ut「いーや。家まで送る!」




結局、家の前まで送ってくれた。

第3話【ゾムさん】→←第1話【トントンさん】



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ソイタミ19時50分 - 外ピさん» すみません…!!イメージ的には鉤十字ではなく、ラテン十字のつもりで書きました!誤解を生むような書き方をして、申し訳ありませんでした!直しておきます (2020年1月8日 12時) (レス) id: 24ef0dd6d4 (このIDを非表示/違反報告)
外ピ - すいません、確かwrwrdの二次創作物って鉤十字使っちゃいけなかったはずなんです。できれば変えて頂きたいです。お話すごく面白かったです! (2020年1月7日 23時) (レス) id: 6c3752b497 (このIDを非表示/違反報告)
ソイタミ19時50分 - リアさん» ありがとうございます!これからも楽しんで頂けるよう、頑張ります! (2019年11月27日 18時) (レス) id: 58cba98cf2 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - ソイタミ19時50分様、お誕生日おめでとうございます! いつもとても楽しく読ませて頂いています! これからも頑張って下さい! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 125744f577 (このIDを非表示/違反報告)
ソイタミ19時50分 - ↓レス押すの忘れてました…めーぷる 楓の木さん、コメントありがとうございます! (2019年5月23日 22時) (レス) id: 58cba98cf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソイタミ19時50分 | 作成日時:2018年11月24日 18時

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