どこ見てるぜよ。 (ページ7)

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｢仁王先輩…？！ぶ、部活は…｣

入部当初の様な状態の私は制服で前だけ隠した。
そんな私に仁王先輩はふい、と目線だけずらして話を続ける

｢幸村がAがどこにもおらんと言ってな、流石に部長が抜けると不審がるき、俺が探してたんじゃ…っ！

ーーお前さん、今までどこに居った？｣

仁王先輩はチラッとこちらを見るやいなや
目を見開いて私を見た
どうやら鍵を掛けなかったという事に怒ってて
ずぶ濡れの姿には今気付いたみたいだった

｢…えっと、そのっ｣

どうしよう、言ったら迷惑になるんじゃないか
面倒事にまきこんでしまうんじゃないか

そんな葛藤をしていると、痺れを切らした仁王先輩が
はぁ、と溜め息吐いた

｢また風邪を引くじゃろ、早く着替えんしゃい。｣

くるっと背を向けた仁王先輩に
はいとだけ返事をして手早く制服を着た

｢き、着ました。｣

あぁ、と短い返事をしてくるっとこちらに向いた先輩は
またしても眉を顰めた。

｢お前さんそれで帰るんか？｣

｢…へ？」

仁王先輩の言った意味がわからず、どこかおかしいのかと
身なりに注目すると
あ、と目が止まった先はさっき予想してた場所
下着に密接した部分だった

白だから色は目立たないけど、レースが薄ら透けている

咄嗟に腕で前を隠してすみませんと蚊の鳴くような声で
仁王先輩に頭を下げた

バサ、という音と頭から被さる黄色に顔をあげる

｢着ときんしゃい。あと下のジャージも貸しちゃるき｣

ゴソゴソと自分のロッカーを漁る仁王先輩

｢…ありがとうございます｣

素直に助かったと思いお礼を言って
再びジャージへと着替えた

やっぱりおっきいな…
手一つ分程余る袖を捲し立てる
ふわっと香る洗剤か柔軟剤の香りに混ざって
仁王先輩の香りもあった

なんか仁王先輩に包まれてるみたいだな、なんて
変態みたいな事を考えてしまった。