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その日以降、おそらくあの先輩達を筆頭に
あのフェンス越しにいる女子達からのいやがらせは
始まった。


否、もう既に始まっていたのが、エスカレートした
が正しいかな。


朝練に出ればフェンス越しで悪口
終わった後下駄箱を開けると毎日の様に無い上履き

廊下を歩いているとわざとらしくぶつかる女子
足を引っ掛けてくる子もしばしば…


しかも上手な事に全部、私が一人の時を狙っての行動だった



「はぁ…」



こうも毎回だと流石に疲れる。
生憎私は生い立ちもあってメンタルは強い方だと思ってる

…が、流石に疲れる(二回目)


やっと学校が終わって、放課後
部活に行く前にトイレに寄った。


手を洗っていると、キィと扉が開く音
鏡を見ると入ってきたのは会いたくない子達だった

ここ数日で嫌という程顔を合わせる子達。



「あれ、陽野さんじゃん。
この後部活行くの?懲りないね?」


「……」



偶然を装った挨拶を私は態とらしい…と呆れ
返す言葉も無かったから無言を貫いた。


するとそれが気に入らなかった様で、ムッとした後
にや、と口角を上げる一人


「私らさぁ、今日ここの掃除当番なんだー」


チラっと鏡越しに見ると、確かに掃除用具を持っていた。
これは本当みたいだ。


「…そう、じゃあすぐ出るから」



一つ挟んだ隣の蛇口にホースを繋げた一人は
ホースを唯一話した子に渡す。


「あ、そう?助かるわ、それならすぐ終わりそう。」


キュ、と音を立てて捻られた蛇口は
どんどん捻られすぐに水圧が増していく


「何言って、っ!!」


勢いよく出た水は圧によって真っ直ぐと、私の顔を目掛けて
飛んできた。


腕で顔を防ぐもホースを上下に動かされれば
あっという間に全体は濡れる


数十秒の間で私の着ていたジャージは勿論
中にまで水は浸食していた

再びキュ、と音が聞こえ
水が滴るホースを床に放った子は相変わらず口角をあげていた


「言ったじゃん、"掃除"だって。
そんなんじゃ部活出れないね?もう帰ったら?」


クスクスと笑ってホースを片すと
そろそろテニス部始まっちゃうから行こうー
と呑気な声で出て行った


ポタタ、と髪から落ちた水滴の音だけが鮮明に聞こえたくらい
静かになったトイレ



「…やられた」



鞄と制服は部室
着替えるにも帰るにも、寄らなければいけない


どうしたものか、と


私はジャージの裾と思考を振り絞った。

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作者名:1/4 | 作成日時:2021年8月7日 13時

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