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皆がわいわいと楽しむなか
俺は少し引っかかっていた。

杞憂だといいんだけど


「真田、ちょっと屋上の花の手入れをしてくるよ。」



「あぁ、分かった。」



「そうだ、仁王。
少し手伝ってくれないか?」


俺は仁王にアイコンタクトを送る
きっと仁王は気付いてる筈だからね。

彼女の嘘に。


「…あまり長居はせんよ。」


気だるそうに立ち上がる仁王に
ありがとう、と言って二人で教室を離れた



「仁王はどう思う?」


「なんの事じゃ。」


「気付いてるんだろう?
Aちゃんが嘘言ってるの。」


「…まあの。
目が僅かにだが泳いどった。」


さすが、コート上の詐欺師と呼ばれるだけある
小さな変化を見つけられるのは仁王くらいだろう。



「この場所、クラスと離れてるから静かだよね。
それに生徒もあまり来ないから先生の目も気にならない。

コソコソするにはもってこいの場所だと思わないかい?」



「…まだ、確証は無いが

Aは女子生徒からやっかみを受けとるかもしれんのう。」



きっと彼女たちは、俺達が気付いてないと思ってる

彼女に向いた嫉妬の目
彼女にしか聞こえない様に言ってる暴言を


「まぁ、他の部員はまだ気付いてない様だけどね。
教室では赤也がいるだろうし、一緒に行動している時は少し注意しておこう。」


「あぁ。」



彼女をマネージャーにしてこういった事が起こるかもしれないとは視野に入れていた。

嫌、実際起こり始めていたんだ。
彼女があまりにも気付かないから、恐らくエスカレートしているんだろう。



「それにしても、相談くらいは欲しかったけどね?
心配掛けたくないのは分かるけど。」



「まぁ、本人もそこまで気にしとらんからの」



「ふふ、手強そうだね。Aちゃんは。
さ、仁王も水やりしてくれるかい?」



「…二人で話す口実だと思ったんじゃがな。」



仁王は渋々ジョウロを受け取った。



「口実であり、本当に手入れにも手伝って貰うつもりだったよ?」



「うちの部長は怖いナリ。」



「ほらほら、手が止まってるよ。
しっかり全体にあげないと」



観念した仁王は、しっかり飲むぜよ。
と花に水やりを始めた

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作者名:1/4 | 作成日時:2021年8月7日 13時

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