検索窓
今日:10 hit、昨日:18 hit、合計:5,565 hit

50 ページ1

ミーン ミーン



蝉が当たり前の様に鳴き始めた七月の中旬

毎日暑さが強くなってきて、屋上でご飯を食べるのが
修行かと思い始めた。


「先輩、もうそろそろ屋内で食べましょうよ。
私達いつか干物になりますよ?」


私はアスファルトが熱気で揺れている様を見ながら
抗議した


「Aに同じぜよ。
こんな暑い中じゃ食欲も湧かん。」



ひょっこり私の隣から顔を出す仁王先輩は
暑さに滅法弱いという事が最近判明した。



「俺も!屋上熱くて溶けそうっすよ!」



するとみんな思ってた事は一緒だった様で
各々実は俺も…と声が上がってくる。


「ふふ、みんなAちゃんに同意見みたいだね。
確かにこの中で食べるのは熱中症にもなる恐れがあるね。」


幸村先輩の一言で
真田先輩はふむ、と腕を組んだまま
中々イエスを出さなかった。

きっと室内だったら何処か適切な場所があるのか
と考えてるんだろう。



「真田先輩、私この間空き教室見つけたんです。
そこで食べるのはどうですか?」


「空き教室?そんなとこがあったか?」



「はい、この間たまたま見つけました。
案内します。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ここです。」


着いた場所は二年生のクラスのある二階
全クラスからは離れている為
静かで人通りもあまり無い。



「へぇ、こんな所にあったんだね。」


「鍵も掛かってはいませんね。」



カラカラと音を立て空けたドアから
皆ぞろぞろ中に入ってみると
少人数分の机があるだけだった。


「以前使われてたが今は使っていない様だな」


「丁度いいんじゃないかな。
ね、真田。」



「うむ、では当分はここで昼を取ろう。」



良かった、役に立てて。

まさか数日前に先輩から呼び出されて
この教室を知った、なんて言えないけど…



「なぁ、陽野。
お前なんで俺らでも知らなかったこの場所見つけたんだ?」


「え?たまたまですよ。
移動教室の帰り通りかかったんです。」


私はお弁当を食べながら何食わぬ顔で振る舞う
丸井先輩はふーん、とだけ言ってお弁当を食べる


まぁ、十分有り得る話だからね。
流石に疑わないはず。


その後私は赤也君におかずを取られたり
柳生先輩が見兼ねておかずをくれたりと

いつも通りになった。



だから気付かなかった。


仁王先輩と幸村先輩が私を見てた事に

51→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
設定タグ:テニプリ , 立海 , 仁王
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:1/4 | 作成日時:2021年8月7日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。