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クールな人 ページ10

私がキヨくんにカミングアウトしてから、ずーっとキヨくんがなんで！なんで！と理由を迫ってくる。

それならまだしも、俺は？俺は遊びだったの？なんてでかい声で叫ぶもんだから、あらぬ誤解を生み始めている…最悪だ。

教室にいるとみんなの好奇の目とか、嫉妬の目とかが痛すぎるので、静かな図書室に立ち寄った。

A｢はあ…キヨくんなんかに言わなきゃよかった…｣

特に用もないのに来てしまった図書室。
本を借りるなんて、小学生以来かもしれない。
適当に本を探して借りよう、と思った矢先。

あれ、牛沢先輩…？

この間の不敵な笑みとか、キヨくんをからかう時の笑顔とかとうってかわって、真剣な顔。

つい声をかけるのを躊躇ってしまうような雰囲気で、少し緊張する。



ガタンッ_____



え…？




見上げると、梯子が私の前に落ちてくる。

避けなきゃ、そう思ったんだけど反応が、

誰かにぐっと引っ張られて後ろに退く。
私の足の横で、バタンと梯子が倒れた。

｢すみません！怪我ないですか！！｣

どうやら図書委員の人が倒してしまったみたいだ。
大丈夫ですよ！といって笑うとペコペコされた。なんかこっちが申し訳ない。

牛沢｢なーにが大丈夫だよ。俺がいなかったら確実に死んでたな。｣

この低い声、聞き覚えある。
助けてくれたのは牛沢先輩だったみたいだ。

A｢さすがに死にませんよ！でも、助けてくれたのはありがとうございます｣

そういうと、また左側だけ口角をあげてニタっと笑う。多分癖なんだろう。

牛沢｢そうだなー本当に感謝してんなら、今日俺と一緒に帰ってくれるよな〜｣

A｢え？｣

なぜか今日は、牛沢先輩と帰ることになってしまいました。

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