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「浩介くん？」
どうしたの？と覗き込んでくる松内さん。
「あぁ、いや…」
「もう少ししたら試合始めるってよ！」
たった今足早に去っていったあの子。
気のせいかもしれないけど、泣きそうな顔をしていた。
それがどうしても気になって…
「ごめん。すぐ戻るってみんなに伝えといて。」
「え！ちょっと、浩介くん！」
驚いている松内さんの横をすり抜けて走った。
ゴミ捨て場。
教室。
いつも青木と話している廊下。
校内を探してみたけど彼女の姿が見つからない。
あと残す場所は…
「屋上か。」
もし1人で泣いてるんだとしたら
俺ができることはしてあげたい。
その思いが俺を走らせていた。
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作者名：ささき | 作成日時：2021年11月29日 20時
