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ダンダンッ
キュッ
ボールやシューズと床が擦れる音が聞こえる。
ついにバレー部を見に来てしまった。
「井田先輩いるかな〜」
またあの2階へ続く階段を上りながら七海が呟く。
『緊張する…』
「ちょっと〜見る側のAが緊張してどうすんの!」
七海に笑われながら後に続くと視界が開けた。
手すりに掴まって下を見下ろしてみる。
『いた』
谷口先生が上げたボールをジャンプして打っている。
少し汗を滲ませる井田先輩はとてもキラキラして見えた。
文句なしにかっこいい。
『無理…かっこよすぎる』
なんか見てられなくて手すりに顔を押しつけた。
「井田先輩ー!頑張ってー!」
『七海!?』
急に大きな声で言う七海に驚いてバッと顔を上げると視線が交わった。
少し頭を下げすぐに練習に戻る彼。他の部員に小突かれたりもしている。
『なにやってんの!』
「えーだって見てるだけじゃ意味ないでしょ?井田先輩を見に来てるってアピールしないと!」
『だからって…』
「まあまあ!目が合ったんだから結果オーライでしょ?」
その積極性に脱帽だ。
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作者名:ささき | 作成日時:2021年11月29日 20時