はじまる初恋 (ページ2)

今日:7 hit、昨日:31 hit、合計:163,416 hit

. ページ2

「わー、やっぱこの学校きれいだね！」

『ほんと！制服も適度に着崩してる人多いし校則ゆるめなのかな？』

「あー確かに。そこも最高かも。」

『七海はこの学校第一希望だっけ？』

「うん！他はあんまり考えてないかな〜。
Aもでしょ？」

『う〜ん。家から1番近い高校とこっちで迷ってるんだよね。』

「え、そうなの？一緒にJKライフ送ろうよ〜！」

中学最後の夏休み。
3年生ともなれば受験に向けてみんな本腰を入れ始めている時期だ。
例に漏れず私達もほとんど毎日夏期講習に通い、
こうやって気になった学校のオープンキャンパスにも来ている。

せっかくの夏休み、遊びたいけど。

「それにさ」

七海がなんだかニヤニヤしながらこっちを見ている。

『なに？』

「ここ、イケメン多いって噂！」

『イケメン…？って、七海彼氏いるじゃん。』

「も〜Aは堅いなぁ！それとこれとは別だって！
付き合う云々は置いといて、イケメンの先輩と仲良くなれたらそれこそ楽しい高校生活になると思わない？」

『うーん、まぁ確かに…』

「Aのまだ見ぬ初彼氏はどんな人だろうな〜」

『ちょっと〜』

七海が言うことも一理ある。
中学生が憧れる高校生活ってやっぱり恋愛ありきなわけで。
恋愛経験に乏しい、というか皆無な私もちょっとだけ期待してたりする。

「Aは顔かわいいんだからもう少し楽に考えた方が良いの！
今のクラスだってAのこと好きな人いるのに断っちゃうんだから。
1回ぐらい付き合ってみたらいいのに！」

『だって友達って認識しちゃったらそれ以上の関係になるのって恥ずかしくて…』

自分でも頭かたいなって思うけど、
どうしても付き合うっていう関係に踏み切れない。
踏み切れないってことは恋愛感情を持っていないってことだろうし…