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今でもたまに、若いあの頃を思い出す事があります。若い、と言える歳ではありませんでしたが。
あの、得体の知れない彼の事。きっと、彼が祖国であるという事は事実でした。
実際、私はあの夏が過ぎて全てが終わった後に、何度か彼を見かけたのです。
その度に心臓が止まるかと思っていました。
そして、こちらを認識して手招く彼に、付いて行く事しか出来ない自分も居ました。
でも彼は、何度会ったとしても、顔も体力も変わっていませんでした。
あれは、人間の身体では不可能でしょう。
殺してほしい、確かに彼に会う度そう頼みましたが、彼がそれを叶える事はありませんでした。
ですが…何度も私の前に現れて…私の事を乱して行った彼は、ある意味では既に……
人間って脆いんですよ。
彼よりも先に死にたくない、と。今初めて思いました。
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時