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そう、そう思うと男は照れてしまった。
普段から薄っぺらい告白だのをしたしされていた筈だった。それなのに少し恥ずかしい気分だった。

さながら初めて恋人が出来たかのように。



「いいや……存外お前の事好きだったのかもな」



消え入りそうな声で呟いたが、ドイツはそれをはっきり捉えていた。そして微笑む。



まるで似合わない表情だ、そう男は思った。
いつもの仏頂面とは違う。だがそれが男の胸に妙な感覚をもたらしていた。



「そうか………そうか」




気付けばドイツの腕の中から解放されていた。
一連の出来事で呆気に取られていると、男の正面にドイツが立った。



「だったら……
俺とまた付き合ってくれんか、今度は…俺の、ルートヴィッヒとしての意思で」



若干恥ずかしそうにドイツは言った。ドイツから差し出されたその手を男は見つめる。
そして、ドイツの顔を見ないようにしながら手を重ねる。



「…おう」



ドイツはその手をしっかりと取り指を絡める。
その様を横目で男は見ていたが、ドイツと目が合いそうになると顔を反らした。



「……何故俺の方を見ない」



「恥ずかしいんだよ」



「思っていたよりも…お前は可愛らしい奴だな」



ドイツがそう言えば男は手を振り払って怒る。
が、ドイツの顔をしっかりと見てからまた手を重ねた。



「悪かったな、イメージと違くて」



「いいや。寧ろ新たな面を知れて良かった。

いつも女を引っ掛けているような奴が初心な感情の持ち主だと」



「あっ、あんまそこ揶揄うんじゃねぇよ…」



男は少し不服そうにしたが、すぐに元に戻りドイツに語りかける。



「改めてよろしくな、恋人さん」



「あぁ、こちらこそ」





ドイツは男の髪にそっとキスを落とした。
男は少し驚いた後、にんまりと笑う。自身の顔の一部を指差した男を見てドイツは首を傾げる。



「ここはいいのか?」



その意味に気付いたドイツは少し目を細めた後、そこに指を当てる。
男はドイツの意図が汲めなかったのか彼の目を見返すだけだった。



「それはまた後だ」



「いけ好かねぇヤツ」

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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時

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