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ぶわっと全身から汗が吹き出すような感覚になった。侵入がバレていたのがわかったのと同時に、日本があの部屋の存在を認めている事もわかった。



「私達、似た者同士だって言えますよね…
こんなにもお互いに思い合っていたんですから。そうですよね?」



本当になんなんだ、と男は思考停止しそうになる。日本も好意をもってやっていたのか?ならばなぜもっと早くに言わなかったのか?



日本はじりじりと男を壁に追いやり話す。小さい子供に諭すような優しい声色で。



「貴方がしていた事…とても嬉しかったですよ。気付いた時、貴方と私は相思相愛だったのだとわかったんですから」



男は日本が振り向いていた事に喜ぶどうこうよりも「理解できない」という感情で埋め尽くされていた。



日本の事は盗撮を繰り返すぐらいには好きだが、相手も自分に同じ事をしていたら誰だって困惑せずにいられないだろう。



「何故そんな顔するんです?貴方も私も愛し合っているんですから、もっと笑顔になって下さい」



日本は男の頬を両手で包んで微笑む。幸せを噛みしめるような柔らかい笑顔。



「あぁ、驚いてしまったんですね。無理もないです。今まであんな態度を取っていたこと、深くお詫びします」



違う、絶対にそこじゃないと男は思ったが口には出せなかった。



「お、おぅ……?」



相槌なのか疑問なのかなんなのかわからない声が出た。普段ならこの日本の顔を食い入るように見つめるか、写真に収めるのだろうなと呑気に考えて。



「…そうだ。折角私達が晴れて結ばれるんですから、一度私の家に来て下さい。

今度は不法侵入ではなく、ちゃんとね」



「晴れて結ばれる」の意味がイマイチ捉えられなかったが、何となく良くない気がしていた。
きっとこれを受け入れたらまずいような。



「嫌であれば来なくて構いません。今まで通り、貴方と私は『盗撮犯と被害者』のままです。
私はそれ以上を望んでいますけれど」



日時が書かれた紙をそっと男の手に握らせ、日本は去っていった。
…その日はベラルーシと意見交換会を予定している日だった。



「いや……いや違うだろ……今まで通りでいい…そうだ、そのままでいい」



丁寧な字で綴られた紙をぐしゃりと握り、服のポケットへ入れた。

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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時

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