はやる激情 日本 ページ4
日本×国男主
「おぉ、今日も爺臭く日向ぼっこか」
「おや、もういらしてたんですね。予定よりも随分早く…」
「あぁ。お前ら日本人は時間に厳しいからな。気を使って早めに来てやったぜ」
「ふふ。それはそれは…。
ならば良いことを一つ教えて差し上げます。
逆に早く来すぎても日本人は嫌がりますよ」
「なっ……。なんだよ!せっかく早く来たってのに!結構早起きしたんだぜ!?」
「いえいえ、私は嬉しいですよ。何時も遅れて来る貴方が早く来たのが珍しくって、つい」
なんだよ、と安堵する男に日本は「でも早く来すぎると嫌がられるのは本当ですよ」と言い放つ。
しゅんと落ち込んだ男を日本は愛おしそうに見た。
今日男が日本を訪問したのは、国同士の話し合いの為である。
最も、国際会議などでする様な大規模なものでなく国家同士のより近距離的な交流になる。
本来であれば会議後などに集まり直すだけでも良いのだが、態々相手国を訪問したのは男なりの誠意なのだ。
「…では、私と同盟を組みたいと?」
「あぁ。…実のところ、最近欧州の奴らの動きが酷くてな。正直俺だけだととてもじゃないが手が回らねぇんだ。
そこで、お前と組みたいってわけ」
「ええ…。欧州の皆さんの動きは私も把握していますよ。確かに貴方にかかる影響は少なく無いでしょう…。然し」
「然し、なんだ?」
「……私と組むのはその為だけなのですね。爺、悲しいです…」
よよよ、と日本は泣き真似をする。
すると男は分かりやすく慌てた。
「なぁっ、!?何だよ!ちげぇよ!?
前々からお前とは仲良くしたいと思ってたぜ?言い出さなかっただけで…
お前んちは製品の質も良いし、お前自体の人柄も良いしな!?ホラお前って優しくて良いやつだ…ろ……」
そこまで言ってから、男は日本のにまにまとした視線に気が付いた。
「冗談ですよ。そんな風には思っていません。…が、そこまで私の事を慕って下さってたなんて…」
「おまっ、お前…!!」
男はてっきり同盟締結を断られるかと思って言ったのだが、実際は日本が揶揄っただけだった。それを知って安堵しつつも徐々に恥ずかしさが勝り頭を抱える。
「兎に角、これから宜しくお願いしますね」
日本がにこやかに微笑んで手を差し出す。
男はその手をぶっきらぼうに取る。
「お前、笑顔になれば何でも良いってわけじゃねえぞ」
「善処します」
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時