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そう考えていると、隣の部屋から物音がした。
部屋の主が帰ってきたのだ。



男は息を殺しながら他の出口を探すと、別の部屋に出る隠し扉があったのでそこから出た。
全速力で日本邸から離れ家に飛び帰ったのだった。





____




「おい、日本のチャイナ服写真持ってきたある……………お前どうしたある?」



中国が命乞いに使った写真を渡そうとすると、やけに男が静かなことに気付く。
良く見ると、手に物凄い汗をかいていた。



「あっ、あぁ……すまん。くれ」



中国から写真を受け取る男。いつものような取っ付き具合が無いので中国は若干不思議に思ったが、そういう日もあるだろうと流した。



様々な人物がいる会議室。その中で、男は唯一日本にだけ目をやれなかった。
何となく怖い気がしたのだ。男も同じ事をしているのに、自分が対象になった途端にしおらしくなってしまった。



日本もずっとこんな思いだったのか、と一瞬思考を巡らせるが日本も異常行動を取っていることをすぐに思い出す。



その日も特に話は進まず、ほぼ雑談で終わった会議。とりあえずその場から離れようと男は駆け足で会場を出た。



「……かわいい……けど……
何がどうなってんだ…?」



写真を眺め一旦心を落ち着けた後、少し考える事にした。
あれは日本が男に対してした復讐なのか?それにしては手がかかり過ぎている。



収集品の中には何百年も前の物も含まれていた。男がまだ日本に奇行がバレていない時からの物も…恐らくあっただろう。



日本は単純な趣味として集めているのだろうか。それはもっと怖い。
何で態々表面では男の事をあしらって、裏では収集などという訳のわからない事をしているのだろうか。



「おや、こんな所で何してるんです?」



ふと、日本の声がかかった。廊下の端に突っ立っていた男を不思議に思ったのだろう。



何か言い訳でもして立ち去ろうと思った時、男は違和感がした。



「…何で態々ここに?会議室からも離れてるし…時間的に俺に追いつく為にはすぐ追いかけて来ないと無理だろ」



そう、この廊下の一端は先程までいた会議室とはかなり距離があるのだ。男はさっと走ってきた為すぐついたが…



会議室から出てきてたまたま遭遇した、なんてことはあり得ないのだ。



「…貴方と同じ事ですよ。


あの部屋、見たんでしょう?」

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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時

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