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場所は日本宅。温かな気温に恵まれた彼の家で、不審者が彷徨いていた。
「はは、日本は詰めが甘いんだよ。写真が無理なら実地調査だ」
…そう、今まで溜めてきた「愛の日本写真フォルダ♡」を奪われた男は奇行に走ったのだ。
ずっと理性と倫理観が止めていた住居侵入を、ついに実行に移した。
「さて…ここが日本の部屋かな」
忍者も顔負けのスニーキングで無事誰にもバレずに侵入した男はかの人の部屋を目指す。
「取り敢えず…何か私物があれば持ち帰ろう。まずはバレなそうな小物から…」
何を持って帰るか考えながら部屋の襖を開ける。
そこには活けられた花と畳まれた布団…掛け軸などがあるシンプルな部屋があった。
「これが私室か…あんまり物置いてないな。
まあ日本って散らかさないタイプだしどっかにしまってるのか」
来たからにはと日本の部屋の空気を肺いっぱいに吸い込んだ後、男は何か無いか捜索を始める。
押入れの中や箪笥の引き出しまで全て漁ってみたが、特にバレずに持ち帰れそうな物は無かった。
大抵が洋服や掛け布団等だった為だ。日本は私室で睡眠しかしないのか？と疑問を持った男だったが、ふと壁に妙な隙間がある事に気付いた。
「これ、隠し扉ってやつか？」
隙間のある所をとん、と押すと予想通りに開いた。
中は光の通らない暗い部屋。電気すらついていないようだ。
「何だここ…何も見えな…！？」
予め持参していたライトをつけて辺りを照らすと、男は絶句した。
そこには、壁一面に貼られた男の写真。角度的に全てが盗撮写真だと思われる。
少し視線をズラせば、男が無くしたと思っていた物や日本にプレゼントした物が袋の中に一つ一つ丁寧にしまわれていた。
ご丁寧に日付と簡単な説明文が書かれている。
「×月×日 会議室に彼が落としたペン」
「×月×日 彼が贈ってくれたお菓子」
「×月×日 酔った彼がくれたネクタイ」
「×月×日 彼のハンカチ」
その異常さを男はただ眺めるしか無かった。どういう感情を表せばいいか分からないし、何が起こっているのかも考えたくない。
男も日本の私物を窃盗しようとしたり盗撮写真を所持している為一概に理解できないとは言えない…が。
毎度毎度嫌そうな顔で俺から日本コレクションを取り上げる彼が…なぜこんな事を？
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます！ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい！ (2月8日 0時) (
レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです！これからも更新楽しみにしてます！ (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凡夫 | 作成日時：2024年1月21日 0時
