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彼はどれだけ国が攻められようと降伏をしなかった。


誰しもが不思議がっていたその時、それは起きた。






彼の抱えていた爆弾が爆発した。





彼の国に出兵していた兵は殆ど全滅した。
彼の国民もまたそうである。


一国が一夜のうちに滅んでしまった。周辺の地形まで巻き込んで。


文字通り、地図が変わったのだ。


連合側はこの出来事で兵力を削がれる大打撃を食らったが、そのまま持ち直し戦は幕を閉じた。


ただ一人の男を除いて。





戦争後初の会議で、イタリアはずっと泣きじゃくり手が付けられなかった。


会議室から運び出される彼の椅子にしがみついて離れなかったのだ。


その悲鳴とも取れる声は痛々しく、その場の全員が同じ気持ちを共有していた。


実際、滅んだ国がどうなるかはよくわかっていない。


今は亡国でありながらも存在し続ける者も居る。


ただ、彼がそうではなかっただけ。


彼の国民はあの夜に殆ど居なくなってしまった。


国の存続に必要なのは国民と統率者と領土。


そのどれもを失ったから、彼は居なくなってしまったのかもしれない。


彼の国の跡地からは、沢山のデージーの花が咲いた。


戦前増殖されていたデージーの種が、戦争が終わってから芽吹いたのだろう。


その花畑で、イタリアは花冠を作った。
彼に見せるために、笑って。


彼のした自爆行為が、彼以外のものにどんな影響を与えたのだろうか。


少なくとも、あの行為で戦争の終わりが早くなったのは確かだった。





イタリアは今も、彼から電話がかかってくるのを待って居る。


そのために、態々遅刻していくのだ。


彼と歩いたあの日々をもういちど繰り返すように。



















デージーの花言葉……希望、平和、あなたと同じ気持ちです

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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時

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