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「フン、そうか」
期待していた回答が来なかったイギリスはあっさり引き下がった。
然し以前と問題は解決されない。
会議室はその兵器の話で持ちきりであった。
「アレは下手すると一国が吹き飛ぶ威力ある。我は直接家に行ってあるか確かめて、あるならそれ相応の対応を取るべきだと思うあるよ」
「最もだね。彼が今日来なかったのも、持っていたのがバレたからかもしれない」
しかしイタリアはそこに妙な違和感を持っていた。
イタリアと仲がよく、イタリアの為に態々遅刻していく彼が、自分に兵器の事について打ち明け無いなんてあるだろうか。
少なくとも、兵器の存在がバレた可能性があったなら自分か兄に電話をかけてくるはずだ。
そう確信していた。
ならば問題はもっと別にあるはず。しかしそれを追求して欲しいと言い出す事は出来ない。
イタリアは彼を表面的に庇ってしまった。
もしあの時知っていると言えば、別の問題について話し合えたかもしれない。
「ていうか、枢軸側の皆で共有してるんじゃないの?イタリア君と仲いいし、そこ経由で武器の輸出してるんじゃない?」
ロシアの発言に場がどよめいた。
今はちょうど枢軸と連合が少し揉めあっており、情勢が不安定だった。
そんな中、枢軸寄りの国が爆弾を抱えていた。ロシアのように考えるのは妥当である。
「だけど日本とドイツは輸入してないよな?履歴が残ってなかった気がするんだぞ」
そうなれば、疑いがかかるのはやはりイタリア。
「ちょ、ちょっと待ってよ。俺は輸入出来ないんだし、日本もドイツも輸入してないんだからそれで終わりで良いんじゃないの?」
「お前らが秘密裏に渡してるとは考えないのか?」
イタリアは困ってしまった。兵器の輸入こそしていないが、兵器処理失敗の隠蔽には関わっている。
それは恐らく、自身の大きな損失になる事を分かっていた。
この事は世界情勢を大きく揺れ動かした。
それは当然悪い方に。皆が彼の国を注目していた。
しかし当の本人は公の場に出なかった。
黙秘を決め込む態度に、もはや彼はクロであるという認識が浸透していく。
そんな最中始まってしまった。
世界中を巻き込む大決戦が。
始め優勢を取ったのは枢軸側。着々と領土を広げて行った。しかしある一時を境に事態は急変し、一気に形勢逆転する。
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時