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ある朝、いつも電話が来るはずの時間になっても男からの電話が来なかった。
この日だけは珍しく電話が来なかったにも関わらず自分で起き上がる事ができたイタリア。
男が寝坊しているのかと思い電話するが何コールしても出なかった。
仕方が無いので一人で会議へ向かう。
一人で歩く道はやけに寂しく、味気ないものに感じられた。
イタリアが会議室につくやいなや、ドイツが焦った様子でイタリアに迫る。
「おいイタリア！奴は一緒に……居ないのか！？あいつはどうしたんだ！？」
ドイツの鬼気迫った様子に驚きつつもイタリアは言葉を返す。
「それが、今日の朝電話が来なくてさ…俺からもかけてみたんだけど繋がらないんだ」
ふと時計に目を見やれば、いつもよりも早い…そう。この日は遅刻していなかったのだ。
他の国は出席していたが、何故か彼だけが居なかった。
「てっきりイタリアと来ると思ってたんだけどねぇ…どうしちゃったんだろう」
「ヴェ、フランス兄ちゃん、なんかあったの？」
それが…とフランスが言いかけた所で、イギリスが声を上げた。
「例の事件の兵器が、まだあいつんちに残ってるって話なんだよ」
その瞬間、イタリアはさっと血の気が引くのを感じた。その兵器のことは彼自身とイタリア、そして兄しか知らない筈なのに。
イタリアと彼は何度も兄に釘を刺されていた。
「兵器の存在がバレることは男の信用問題になり、争いの火種にもなる」
それがあったからこそ、イタリアは今起こっていることがどんなに恐ろしい事か理解してしまった。
だから、態度に出てしまったのだ。
「そうだイタリア。お前はあいつと仲良かったよな。……何か知ってるんじゃないのか？」
イギリスのその発言は質問では無かった。
「ここで洗いざらい話せ」という趣旨の言葉。
イタリアは体が芯から震えるような思いをしていた。
「……俺は…知らないよ」
だが、イタリアは彼を守る選択を取った。自分だけは彼の味方で居ることを決めたのだ。
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます！ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい！ (2月8日 0時) (
レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです！これからも更新楽しみにしてます！ (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凡夫 | 作成日時：2024年1月21日 0時
