友達 ロシア ページ1
ロシア×一般人男主
台所から忙しなく何かを作る音が響いてくる。
それを聞き流しながら暖炉の側で煙草の煙を吸い込む。
ふと台所を見遣ると、背の高くて大きな男がせかせかと料理を作っていた。
「(デカくて白いと来たら最早白熊だな)」
暫く眺めていると、白熊はこちらの視線に気付いたのか俺を見つめ返してくる。
やがて、頬を赤らめて微笑んだ。
「もう、そんなに見てたら照れるんだけど」
きゃー、と両手で頬を覆って乙女のような仕草を見せるソイツに呆れつつ「勝手に照れてろ」と言葉を返す。
「相変わらず冷たいなぁ」
外も寒いのに君まで冷たいなんて、と小言を吐く白熊…イヴァン。
真冬に一人で外を彷徨って居たので浮浪者かと思い一度家に上げてからというもの、何度も家に来るようになってしまった。
少しでも可哀想に感じた俺の負けである。
コイツは勝手に家に上がり込んでは料理や掃除をし始めたりする。
初めは申し訳無さで断っていたが、向こうが好意でしているのだと主張するものだから放っておく事にした。
それに、何もしなくても飯が出てくるというのは俺にとっても嬉しい事だ。
繰り返される掃除のお陰でやけに部屋が片付いてしまうのは少々難儀だが。
それと、俺が煙草を吸っているのをコイツはやけに…
「あ、そういえばまた煙草吸ってるね。
駄目だよ、寿命縮んじゃうよ?」
「…そう直ぐには縮まねぇよ。第一俺は健康体だ」
「ならいいけど」
…そう、やけに俺の健康を気にしている。
一度拾われた恩からかと思ったが、どうやら浮浪者でもなくちゃんと家があり兄妹も居ると言うのだからよくわからない。
(両親の話は聞かないので複雑な家庭なのかもしれないが)
お節介な知人はこれまでにも何人か居たので特に迷惑とも思っていないが、心配されながら煙草を吸うというのはあまり心地よくも無い。
「なんだってお前はそんなに人の健康を気にするんだ?」
「えぇ、だって長生きして欲しいでしょ。早死されたら僕嫌だよ」
「お前には俺が早死する程貧弱に見えるのか。
あと長生きって、お前俺の老後まで付き纏うつもりか?」
「うふふ、だって僕達友達でしょ?
友達は長い付き合いなんだから当たり前だよ」
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凡夫(プロフ) - しょうゆだれさん» ありがとうございます!ゆるゆると更新していきますので是非とも見ていって下さい! (2月8日 0時) (レス) id: 4785ee1503 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆだれ - あなたの書く小説が大好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2月4日 11時) (レス) id: cc28abac62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凡夫 | 作成日時:2024年1月21日 0時