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かたり、と少々開きづらいドアを開けて入ってみると、空いている窓から入る風に乗ってインクの匂いと紙の匂いとが混じって俺の横を抜けていく。
窓を開けているのだから、ドアを開けた方が良いんじゃないのか。
そう思ったので全部開ける勇気は流石に出なかったため、半分ほど開けて中へ歩みを進める。
カウンターには図書局や図書委員は誰も居なく、閑散としていた。
空気の音まではっきり聞こえる。
図書室が無人でもいいのか、高い本だってあるのに、と思ったが、誰かにしつこく注意される事を嫌う俺にはちょうど良かった。
図書室に入ってすぐ目に入る本棚には、図書局のオススメや、賞をとった人気の本などが手作りのポップ付きで置いてある。
試しに何冊か選んで椅子に腰を下ろし、ページを開く。
何ページか読んでみるが、俺にはいまいちピンと来ない。
他の本も読んでみるが、なんだか集中できなくて、本を机に置き、背もたれに寄りかかり天井を見上げた。
「寝ちゃいそ…」
ポツリと呟き、そのまま首をさらに倒す。
「君、暇なの?」
すると、青葉城西高校の女子制服が目に入った。
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作者名:南津ノ千祀 | 作成日時:2017年11月13日 16時