完璧じゃないあの子 ページ42
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「あの──っ!伏黒君…だよね?」
その女性らしい高い声に四人が振り向いたのは、任務終わり、外食へ向かう道のりの途中だった。
ちょっと早めに任務が終わったから久しぶりに皆でプラプラ買い物をして、虎杖が中華を食べたいと言うから伏黒が近くの中華を調べて歩き出した時、その声は突如背後から私達を呼び止めた。
あれ?デジャヴだ。
「い、一緒に写真撮って欲しいな…って」
可愛いワンピースにゆるふわウェーブのツヤツヤの茶髪、頬をピンク色に染めた女性は、これまた可愛いケースを付けられたスマホを握りしめてそう言った。
「別にいいけど」
『おっ?』
「おぉっ?」
「何?アンタまた逆ナン?いい加減にしなさいよ」
「ちげぇよ同級生だ。つーか前のも道聞かれただけだっつっただろ」
ニヤニヤと指差すAと虎杖。
Aの頭上にゲンコツが落下し、虎杖の人差し指を有り得ない方向に曲げようとする伏黒。
『身長縮んだぁ!!!』「突き指ってレベルじゃねえよ?!」とそれぞれ頭と人差し指を押さえながら喚く二人に、「懲りないわねアンタら」と野薔薇のデカいため息が降りかかった。
その様子をおどおどと見ていた女の子の髪が、光に反射してキラキラ光って──、
『…メープルシロップみたい』
「は?」
女の子の髪に見入るAがポロリとこぼした。
それくらいツヤツヤで、綺麗な髪だった。
その言葉にシンプルに一言で困惑を表した伏黒は、チラリと女の子の方を見て、次にその手に握られたスマホを見て三人を振り返った。
「悪い、先行っててくれ。すぐ追いつく」
「おー気をつけてきてな!」
「私に席取りさせるとは高くつくからな」
『エビチリでいいな?』
同じような表情して言ってくる同級生達に「早く行け」という視線を送って、伏黒が再び女の子の方を振り向くと、女の子はその視線にたじろぎながらも小さく口を開いた。
「あ──えっと、向こうに綺麗なお花が咲いてる所があって…そこでもいい?」
「おう」
何となくここじゃないところに行きたいんだろうという予想は当たっていたようだ。
パパッとツーショットして終わりならよかったけど、すぐに言い出さない辺り何か虎杖達に聞かれたくないことでもあるのか。
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Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時