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『それにしてもすごい、憂太先輩!!五条先生くらい強いってことでしょ?』
「あの…いや、僕が強いんじゃなくて里香ちゃんが強いんだ、僕はまだまだ全然…」
『?』
頭にポカンとハテナを浮かべたAは、少し難しい顔をした後すぐに考えるのをやめて言った。
『よく分かんないけど、憂太先輩は謙虚で優しい人なんだね』
「え──」
「…」
笑う五条先生や真希、パンダ、狗巻、心なしか眉を下げて優しい顔をした恵、そして固まる乙骨。
今日は固まってばかりの乙骨の手と、半ば強引に握手をしたAはニッコリと笑った。
『私も強くなりたいから、仲良くしたい!私久我Aです!よろしくね、憂太先輩!』
「…伏黒恵です。よろしくお願いします」
「…!うん、よろしくね、!あ、待って──僕今汗臭いから──っ!!」
『そんなことないし気にしないよ。ね、恵!』
「別に、臭くないですよ」
「むしろお花の匂いって感じで──」という恵の衝撃の一言に爆笑する一同。キレる恵。
「あの…ありがとう、二人とも綺麗だね、伏黒さん、久我さん」
「は?」
「「『ブフッ、』」」
「え?」
✳︎
「ごめん伏黒君…綺麗な顔だからてっきり女の子だと、」
「………いえ」
痛恨のミス。
まぁ声の低さとか体格的に薄々男っぽいとは思っていたけど、何せ顔が綺麗なのと女の子を男の子と間違えるより、男の子を女の子と間違える方がダメージが少なそうだと思ったのもある。
思いの外ショックを受ける恵にひたすら謝る乙骨の図を見て笑いが収まらない五条先生と一緒に笑っていたAが、目に浮かんだ涙を拭いながら乙骨を見た。
『私のことは名前でいいよ!』
「え、本当に──?じゃあ、A……さん」
『さんもいらない!つけたかったらつけてもいいけど、私の方が後輩だし』
「あんま困らせんなよ」と若干まだヘコみつつある伏黒がAにそう言ったが、本人はワクワクと乙骨を見つめている。
その顔を裏切るわけにもいかず──、
「えっと──…A、ちゃん」
自分の口から出たか細い声に自分でびっくりしながらチラリと様子を伺うと、目の前のAは少し驚いたような顔をして、
『それいいね!なんか可愛い!!』
そう言って、また太陽みたいに笑った。
✳︎
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Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時