・ ページ39
キラキラと瞳を輝かせたAに、五条先生が一歩前に出て、ジャジャーンと片手で一年生達を指した。
「ご存知の通り、呪具使い──禪院真希!」
「呪言師、狗巻棘!語彙がおにぎりの具しか無いから会話頑張って!」
「そして入学初日から僕と一緒の特級術師、乙骨憂太!」
「パンダ」
「(やっぱりパンダ君の紹介はパンダだけなんだ…)」
高専生を一通り紹介すると、今度は秘蔵っ子二人に目を向けた五条先生。
「そしてまだ中学生の僕の隠し子達!禪院家の血筋で十種影法術使いの伏黒恵と、久我家の一人娘、久我Aでーす!!」
「隠し子じゃねーよ。適当なこと言わないでください」
こめかみをピクつかせる伏黒に対し、瞳を輝かせて走り寄って、パンダの毛皮に身体ごとうずめたA。
『久我Aです、よろしくね!!』
その子は、抱きついたまま顔だけ上げてそう言った。
「俺はパンダだ。よろしくな」
『名前そのままー!』
「なるほどな、禪院家相伝術式持ちと久我家のお嬢様か。ま、それ以前に悟が可愛がるのも分かる、だってオマエ俺の次に可愛いもん」
『恵、恵、名前パンダだって!可愛いって言われちゃった!』
「よかったな」
「パンダだ。よろしくな」
「…っス」
軽く会釈をする伏黒と、手を握ってブンブンと握手するA。
モフモフと自己紹介を済ませたAは次に狗巻に視線を向けた。
『こんにちは!』
「こんぶ」
『わぁお、ほんとにおにぎり!こんぶが好きなんですか?』
「すじこ、ツナマヨ」
『意外とレパートリーある!』
キャッキャとはしゃいで、『よろしくね』と握手を交わすAの後ろで、また軽く会釈をする伏黒。
「握手もしろよ。悟の秘蔵っ子」
「は?…おい、何ですかその恥ずかしい呼び名」
「え、待って僕が言い始めたんじゃないよ?高専の誰かが勝手に名前つけ始めて──」
そしてついに、その視線は乙骨へとやってきた。
またもや乙骨の口から「ひ、」と情けない声が漏れる。
『こんにち──』
「気をつけろよ。ソイツ里香っつー憂太大好きな呪霊に呪われてっから」
「え、」
「え…?」
固まる乙骨と、低い声で乙骨とは別の「え」を漏らした伏黒。
「不用意に近づきすぎるとボコされるぞ。私らも一回経験済みだ。特に女──特にA」
472人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時