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耳を貸せというジェスチャーに素直に耳を寄せれば、またもや声をひそめたパンダ。
なんだろう。その秘蔵っ子はなんか機密事項とかなのだろうか。
何故か神秘的になっていく"秘蔵っ子"の想像をそんな訳ないかと自己解決すると、妙に真面目な顔をしたパンダが低い声で言った。
「その秘蔵っ子…どうやら超絶可愛い女子らしいんだ」
「…へ」
「まぁ悟のお気に入りになるくらいだからな〜」とパンダ。
その一言で一気に塗り替えられた乙骨の想像上の"秘蔵っ子"。
「ほらほら憂太〜、やっぱ風呂入っといた方がいいんじゃないか?」
「えっ、えっ…?!僕臭いかな?!」
「しゃけ、おかか」
「狗巻君どっち?!」
「うるせーよ男共」
あわあわと慌て出す乙骨を弄りまくるパンダと狗巻を、真希が一蹴。ついでにパンダの脳天に一撃。
頭を抑えて転がるパンダを無視して残り二人の男子に殆ど呆れた目線を向ける真希。
もう肌寒くなったこの時期に汗臭かったら引かれるか、と自分の服に鼻を寄せながら考える乙骨も、大概男だということだ。
脳天を突かれたパンダが反撃に出ていつも通り掴み合う真希達を、遠目に眺める狗巻と乙骨。
既に共に任務をこなした二人は、もう随分と意志が伝わるようになっていた。
「あはは……僕、お風呂入ってくるべきかな」
「おかか、しゃけ」
「だからどっち…」
伝わらないことも勿論ある。
そこに誰かが一際長い影を落とした。突如現れた日陰に二人が振り返ると、そこに居たのはお馴染みの、そして丁度今話題の最強。
「五条先生!」
「やぁやぁ皆、調子はどうだい?」
「遅ぇーよ!!午前の座学が終わったらって話だったろ!」
「悟単体か?秘蔵っ子はどこだ?」
「たかな」
「君たち僕に当たり強くない??」
「あはは…」
高い身長が縮んだように見える五条先生は、心なしか目隠しで立ち上がった髪の毛までシュンとしたように見える。
ただ困ったように笑う乙骨以外には、五条先生を慰める人もパンダもいないようだ。
それを悟ったのか、諦めた五条先生は未だ転がっているパンダと真希を集合させて、「実はもう連れて来てる」と満足気に笑って長い両腕を広げた。
そして、一言。
「紹介します!!出ておいでー!僕の秘蔵っ子!!」
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Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時