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数十もの氷の兵の冷気に固まった呪霊を、その隙に殴り飛ばし地面に押さえつけ、触れた部分から凍らせていく。
『震えてる…もしかして寒いの?そっかぁ、かわいそう』
顔についた血まで凍りつき、肌も髪も、睫毛までも結晶になっているAがゆっくりと近づいて、
寒さか、恐怖か、震えている呪霊に顔を近づけ、笑った。
『大丈夫──寒さも感じられないようにしてあげるからね』
グシャッ、
Aが笑った直後、アイスモンスターの一人が呪霊の頭を潰した音だった。
✳︎
頭を潰すと、ふんどし呪霊はハラハラと消えていった。
その様子をある程度見届けて、やっと大きく息をつく。
いや、息をついてる場合ではない。そう思って恵を方を見ると──、
『えっ、え──?り、領域展開してらっしゃる…??』
目の前には、黒いドーム型の領域
一体いつから展開していたのか──自分の方に必死で気づかなかった。
その領域の中から出てきた呪霊の胸を背後から恵の式神"渾"の爪が貫いて、呪霊は消滅した。
「……疲れた」
闇がジワジワと開けていく中、現れた恵は恐ろしいほど血みどろだった。
よく見ると、握られている手には、指。
『恵!!!だ、大丈夫?!血塗れすぎじゃない?!ししし死なないでよ!!めぐみぃ!』
「A…祓ったのか、よかった…頭から血ィ出てんぞ」
『自分の心配してぇ…』
座り込んだ彼の目線に合わせてしゃがむと、「血ィ出てんぞ」とAより遥かに血塗れの手でAの顔の血を拭おうとする恵。
勿論拭える訳もない。ただ血がブレンドされていくだけである。
やばい、末期だ。
「……どこだよ、アイツら」
『指の呪霊祓って結界が無くなったから…今すぐ向かえばもしかしたら合流できるかも。恵──』
「オエ"ッ、」
『恵ぃーーー!!!ぅ、わッ!』
領域展開の呪力消費のせいか、単に身体的に限界がきたのか、吐き出した恵はそのまま前のめりに倒れた。
つまり、彼の目の前にしゃがみ込んでいたAにもたれかかるように倒れた。
ギリ吐瀉物被るのは避けたけど、倒れてくる恵は避けられず、血塗れ恵を膝で受け止めるというなんとも誰得状態に。
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Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時