43話 ページ43
｢ああ、その通りだ。お前の父親なら確かにそいつを知っているはずだ。一時期、魔法省を手こずらせたことがある｣
ムーディはガラス瓶の中から大きな蜘蛛を手掴みで持ち出して、手のひらに乗せた。
そして、杖を向けて一言。
｢
蜘蛛はすぐに、素宙返りしたりタップダンスをしたりとおかしな動きを始めた。
クラスから笑い声が上がる──ムーディを除いて。
｢面白いと思うのか？わしがお前達に同じことをしたら、喜ぶか？｣
しん、と笑い声が止む。
｢他に呪文を知っている者はいるか？何か禁じられた呪文を｣
ハーマイオニーの手が再び高く挙がる。しかし、指されたのはネビルだ。
ネビルは、自分自身でも自分が手を挙げていたことに驚いているようだった。
｢一つだけ──……"磔の呪文"｣
｢お前はロングボトムという名だな？｣
その問いかけの意味は話さずに、ムーディは再び杖をかざし呪文を唱える。
｢──
その瞬間、蜘蛛は足を引き攣らせるように痙攣を始めた。これは拷問の呪文だ。
何の音も聞こえないが、蜘蛛に声があればきっと悲鳴をあげているに違いない。
隣でAが蜘蛛から離れたいと言うように椅子を引いた。
「A……？」
見開いた目は今にも死にそうな蜘蛛から離れなき。いつもキラキラと輝く彼女の瞳に恐怖の色が滲んでいく。
｢A、こっちを見て｣
｢──やめて!!!!｣
Aを呼ぶハリーの小声を遮って、ハーマイオニーの金切り声が響いた。
ハーマイオニーの視線の先は蜘蛛ではなく、ネビルだった。
恐怖に満ちた目を大きく見開いて、拳を強く握って、身体中に汗をかいている。様子がおかしい。
｢よろしい……他の呪文を何か知っている者はいるか？｣
ハーマイオニーの三度目の挙手。
Aは前二つは手を挙げていたが、この時は手を挙げようとしなかった。
｢何かね？｣
｢……"アバダ・ケダブラ"｣
｢ああ、そうだ。最後にして最悪の呪文。"アバダ・ケダブラ"……死の呪いだ｣
三匹目の蜘蛛が、最悪なことにハリーとAの座る机の上に置かれた。
椅子に座ったまま仰け反るAがいつひっくり返ってもいいように、椅子の背もたれに手をかけた。しかし目線は蜘蛛とムーディの杖に集中する。
蜘蛛は察したかのように机の端へ一目散に逃げ出したが、ムーディの杖が向くのが早かった。
｢──
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
