41話 ページ41
＊
翌朝、嵐はもう治っていた。
大広間の天井はまだどんよりとしているけど、午前は立て続けに戸外授業だから雨が降っていないだけでありがたい。
大雨のせいでグチョグチョの野菜畑を通って第三温室に辿り着くと、スプラウト先生が今まで見たことがないような醜い植物を生徒に一つずつ配った。
説明すると、ブツブツと腫れ物があるナメクジのようなものが土を突き破って直立している……そんな感じだ。
言葉を選ばずに言えば、かなり気持ち悪い。
女子の何人かは「ヒッ」と悲鳴を漏らしていた。
｢ブボチューバー、腫れ草です。絞ってやらないといけません。みんな、膿を集めて──｣
｢えっ、なにを？｣
｢膿です。フィネガン、うみ｣
気色悪そうに聞いたシェーマスに、まるで聞こえなかったの？というように繰り返す先生。
違う違う。聞こえなかったのではない。信じたくなくて耳を疑ったのだ。
生徒はかなり嫌々取り組んだけど、膿をプシュッと潰すのは謎の爽快感があって、授業が終わる頃には数リットルも溜まっていた。
｢頑固なニキビに素晴らしい効き目があるのです。このブボチューバーの膿は。これで、ニキビを無くそうと躍起になって生徒がとんでもない手段を取ることもなくなるでしょう｣
まるで、もう誰かがとんでもない手段をとったかのような言い方だ。
取り出した膿を苦い顔で見ながら、ロンがコソッと声を潜めた。
｢……可哀想なエロイーズ・ミジョンみたいにね｣
｢自分のニキビに呪いをかけて取ろうとしたっけ｣
『結構度胸あるよね、自分で自分に杖を向けるって』
彼女はハッフルパフ生だけど、その度胸だけで言ったらグリフィンドールでもおかしくない。
『そういうのって、触らないのが一番って言うけど……』
｢そうさ、それをエロイーズ・ミジョンに教えてやれよ。呪いでニキビどころか鼻まで取れちゃったんだから｣
｢バカなことを……｣
スプラウト先生が首を振りながら言った。
｢ポンフリー先生が鼻を元通りにくっつけてくれたからよかったようなものの──｣
でもほとんどの人は知っている。
彼女の鼻は無事くっついたけど、まだ顔の中心からズレているのだ。
＊
その後の魔法生物飼育学で、ハグリッドが連れてきた"尻尾爆発スクリュート"の一悶着を終えた午後の授業はハリーの嫌いな占い学だった。
それも、二時間立て続け。
北棟の螺旋階段を上った天辺の、冬でも夏でも暖炉がメラメラと燃える部屋。ここがトレロー二ー先生の部屋だ。
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
