5話 ページ5
Aは襟付きの淡いブルーのワンピースについた灰をパタパタとはたいてから、裾を少しだけ持ち上げて可憐にお辞儀をしてみせた。
不意に呼ばれたダドリーはビクッと肩を揺らして、自分の名前を呼んだ少女を見るなり彼女より二回りも大きな顔を真っ赤に染めた。
「(茹で豚……)」
『ダドリーくん？ハリーからお話は聞いてるよ!あなたはハリーから私のお話は聞いた？私、A!あなたの従兄弟のハリーとは、とっても仲良くしてもらってるの。ね？ハリー？』
「ああ、そうだね」
真っ赤になって固まるダドリーのずんぐりした手と半ば強引に握手をしながらマシンガンさながらに喋り始めたA。
今年も相変わらず可愛い。
ダドリーは言葉が詰まって出てこないようで、ただAの手はしっかりと握りながら何も発さない口を必死にぱくぱくと動かしている。
従兄弟の情けない姿にハリーは内心嘲笑っていた。
あれ、待てよ……僕もAと初めて会った時──。
「(……やめだ。考えるのはやめよう)」
そんなことより、いつまで手を握っているつもりなんだ？
Aがニコニコしてくれるからって調子に乗るなよ。もしダドリーの無駄に強い握力でAの手が傷付いたら、僕はダドリーの手を葬るだろう。
さぞスッキリするだろうが、そうなってほしくはない。
「おい、ダドリー……そろそろ──」
『そうだ、ハリー!ケーキは届いた？美味しかった？実は手作りなの!ウィローに教えてもらって……どうだった？』
Aがダドリーの手をパッと離して、今度はハリーにニッコリしながら話し始めた。
Aの後ろで、ロンがハリーに哀れな目を向けている気がする。
「あー──美味しかったよ!ありがとう、A。あの、次は僕も一緒に作りたいな。いい？」
『一緒に？楽しそう!!』
これで少なくともケーキがしょっぱくなることはもう無いはずだ。
それに僕はAと一緒にケーキが作れる。一石二鳥とはまさにこのことだろう。
Aの嬉しそうな顔を眺めるハリーを見るロンの目が更に哀れみを増したけど、知らない。
「(ほっといてくれよ、哀れまれても僕はこれが一番幸せなんだから──)」
話している間にウィーズリーおじさんが直した暖炉に魔法でまた火を起こしたらしく、ちょうどフレッドとジョージか火に吸い込まれて行くところだった。
ロンがハリーを手招きしている。
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
