39話 ページ39
「さて。みんなよく食べ、よく飲んだことじゃろう」
夕食が終わると、ダンブルドア校長が笑顔で全員を見渡した。
久しぶりに見ても変わっていない、立派な白髭と銀髪だ。
ゆっくりとした口調で注意事項などを説明している。例年通りの内容に何となく聞き流していると、信じられない言葉が聞こえた。
「──寮対抗クィディッチ試合は今年は取り止めじゃ。これを知らせるのはわしの辛い役目での」
『えぇぇーっ!!』
Aの絶句。
フレッドとジョージを振り返ると、二人もあまりのことに言葉を失ってしまっている。
「これは、十月に始まり今年の終わりまで続くイベントのためじゃ。先生方もほとんどの時間とエネルギーをこの行事に費やすことになる──しかしじゃ、わしは皆がこの行事を大いに楽しむであろうと確信しておる。ここに大いなる喜びを持って発表しよう。今年、ホグワーツで──」
おばさん達が言おうとしていたのは、これだ。
ついに聞けるのだ、と次の言葉を待ったその時、耳をつんざく雷鳴と共に大広間の扉が開いた。
戸口に立っている一人の男性。
長い杖、黒いマント、たてがみのような髪、木材を削って作られたような顔、大きくえぐれた鼻、なにより──忙しなく動く、取ってつけたような青い目。
一歩ごとに激しく体を浮き沈みさせながら歩いてきた男はダンブルドアと握手をして、ニコリともせず教職員の空席に腰を下ろした。
「闇の魔術に対する防衛術の新しい先生をご紹介しよう──ムーディ先生じゃ」
パラパラと拍手が寂しく鳴り止んだ後、ダンブルドアが咳払いした。
「先ほど言いかけていたのじゃが──ここから数ヶ月にわたり、我が校は心躍るイベントを主催するという光栄に浴する。この開催を発表するのは、わしとしても大いに嬉しい。今年、ホグワーツで───
「ご冗談でしょう!!」
フレッドが高らかに言った。
その声が大広間に響き渡る。明らかに怖いムーディ先生の登場に張りつめていた広間の緊張が一気に解けて、生徒もダンブルドアも笑った。
これに優勝した者が、優勝杯、学校の栄誉、賞金一千ガリオン、そして永遠の栄光を得ることができるのだ。
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
