35話 ページ35
＊
「ひでぇ、この調子で降ると本当に湖が溢れるぜ。僕、びしょ濡れだ」
馬車から飛び降りて石段を一目散に駆け上がったのに、その一瞬で四人はもうびしょ濡れだ。
ロンが頭をブルブルっと振るい、そこら中に水が撒き散った。
『うわっ、ロン、あはは!ライオンみたい──うわあ!!』
赤い水風船が天井から落ちてきて、Aの頭の上で割れた。
よろけるAをハリーが受け止めると、すぐさま二発目の水風船が今度はハーマイオニーを掠めてハリーの足元で破裂。
周りの生徒、特に女子たちが悲鳴を上げて水風船から逃れようと押し合いながら駆け出した。
こんなことをするのはもう、アイツしかいない。
『ピーブズ!!』
ポルターガイストのピーブズだ。
『やったな!!このー!』
「ちょっとA、ムキになってもしょうがないわ!」
『どうせもうびしょ濡れだからピーブズと遊んでくる!!』
「何言ってんだ、もっと駄目だよ!大広間に急ごう」
大広間へロンに手を引かれながら移動するAの後ろに、ハーマイオニーとハリーも急ぎ足で着いてくる。
「濡れたら風邪ひくよA。今は水遊びは諦めて」
そう言って参ったように笑いながら、ハリーがびしょ濡れの髪をかきあげた。
Aがパチパチと瞬きをして目を見開く。
今の、今の──……
『ハリー!!今のなんか良かった!!!』
「えっ？」
『キューンってなった!!今の、髪の毛!』
「え、え……今の？」
『ね、もう一回!もう一回やってみて？』
髪をかきあげたハリーが、なんだかとっても素敵に見えた。
いや、いつも素敵なんだけど……こう、クールにカッコよく見えたのだ。
もう一回!とねだっていたら、ロンとハーマイオニーに困らせるなと言われて結局見ることは出来なかった。
それを見ていたハリーが少し恥ずかしそうに笑った顔も、なんだかいつもよりキラキラして見えた気がした。
＊
毎年、学年の初めには新入生を各寮に分ける儀式がある。
新入生は一人ずつ椅子に座って、組み分け帽子を被るのだ。そうすれば、帽子が最適な寮を教えてくれる。
「わーい、ハリー!!」
ハリーのファンの三年生、コリン・クリービーだ。
「やあ、コリン」
「ハリー、何があると思う？当ててみて、ハリー、ね？僕の弟も新入生だ!弟のデニスも!」
当ててみて、と言った割にすぐに答えを言ってしまうコリン。
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
