25話 ページ25
たしかにそうだ。
シリウスはまだ脱獄犯としてディメンターに追われているから、暑さが苦手なディメンター対策としてどこか気温の高い地域に身を隠している、ということくらいしか知らない。
「そんな長旅、ヘドウィグが二、三日でこなせるわけないわ」
「うん、分かってる……」
そう言いながらも、ヘドウィグの姿が見えない窓の外を見つめると、ため息がこぼれた。
「さあ、ハリー、果樹園でクィディッチをして遊ぼうよ」
ロンなりの励ましのようだ。
「やろうよ──三対三で、ビルとチャーリー、フレッドとジョージの組だ」
「ロン、ハリーは今クィディッチをする気分じゃないわ。心配だし、疲れてるし……みんなも眠らなくちゃ」
全くロンってば、何て鈍感なの？と言いたげなハーマイオニー。
しかし、ハリーは今ベッドで大人しく眠れるような気がしなかった。ベッドに入れば、また悪夢を見そうな気がして嫌だった。
「ううん、僕、クィディッチしたい」
ハーマイオニーに若干申し訳なく思いながらも、そう言った。
何か気を晴らしたい気分だった。それに、クィディッチは好きだ。天才的シーカーだったというチャーリーのプレーも見てみたい。
「待ってて、ファイアボルトを持ってくる。Aもおいで」
「Aも参加するならビルは観戦だな。きっとビルより君の方が上手いだろ」
『ううん。私、まだお腹すいてるからもう少しパンを食べてくる。それにやっぱり眠いわ……今朝すっごく早かったんだもん』
ハーマイオニーはハリーとロンを見てから、なんだかブツブツ言いながら部屋を出ていった。
「全く、男の子ったら……」とか聞こえた。
『二人とも、あんまりはしゃいで怪我しないでね？』
「分かったよA。パンを食べたらゆっくり休んでね」
「ウン、君だけには言われたくないと思うけど、分かったよ」
『ロン!!!』
プリプリと怒るAに、ごめん、ごめん、とロンがすぐさま謝る。謝るくらいなら言わなきゃいいのに。
「でもさ、いつも1番はしゃいで怪我するのはAじゃないか？」
そうだよな？という目のロン。
まあ、確かにそうだ。でも心配されたんだから素直に受け取った方がいいことも確かだろう。
そんなことより、怒っていても今日も可愛い。
『もう……私、ハーマイオニーの方行くから!』
「……僕が悪いの？」
「ロンが悪いよ」
「ウン、まぁ……君はAの味方だろうとは思ってたよ」
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 419人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
