3話 ページ3
封筒には一部の隙間なくいっぱいに切手が貼り付けてあって、手紙の最後には"切手は不足していないでしょうね"という追伸。
ロンの家族はみんな魔法族だから、何枚貼ればいいか分からなかったのだろう。
「切手は不足していなかったね」
よかったよかった。という調子で言ってもう一度手紙に目線を落とすと、手紙の隅に何か書いてある。
"さらに追伸"と書かれたその字を見た瞬間、ハリーの胸が高鳴った。
"誕生日おめでとう、ハリー!ケーキは無事に届いた？早く月曜になればいいのに!あなたと一緒にワールドカップを見に行くのが待ちきれないわ!"
急いで書き殴ったような字、名前も無い。だけどハリーが間違えるはずもない彼女の字だ。
「A……!」
今頃もうロンの家でロンやジニー、双子のフレッドやジョージと一緒にいるはずだ。
しばらく会っていなかった彼女の走り書きした三行ほどの文章に、ハリーは頬が緩むのを隠せなかった。
彼女が送ってくれたケーキは甘くて、すごく甘くて。でもなぜかちょっとしょっぱくて──一言で言えば、不思議で個性的な味だった。
でも、なんだか彼女らしい。
……A、僕と一緒にワールドカップに行くのが待ちきれないって言った？
今まさにバーノンおじさんにカンカンに怒られている最中だというのに、もはやハリーの頭は彼女のことでいっぱいだった。
明日の5時、プリベット通りを離れて隠れ穴に行ける。そこにはみんながいるはずだ。
考えるほど幸福感が溢れてきて、今度は抑えようともしなかった。
＊
翌日のダースリー家は言い知れない緊張に包まれていた。
月曜の5時。約束の時間は確かにそう書いてあったはずだ。
でも、5時を30分過ぎてもウィーズリー家は現れず、ハリーもだんだんと不安になり始めていた。
「連中は遅れとる!!」
「分かってる。多分──えーと──道が混んでるとか、そんなんじゃないかな」
「遅れてくれば夕食に招待されるとでも思ってるんじゃないかしら」
「そりゃ絶対そうはならんぞ!!」
おじさんが立ち上がって、居間を行ったり来たりし始めた。
「連中はあいつを連れてすぐ帰る。長居は無用。全くあの連中ときたら時間厳守など念頭にありゃせん。さもなきゃ、安物の車を運転していて、ぶっ壊れ──ああああああーーーっ!!」
おじさんの叫び声に、ハリーが飛び上がった。
「どうした？何が起こったんだ？」
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
