18話 ページ18
「誰かいるの？!」
『ハリー!!はやく……!!行かなきゃ!!』
「どうしたんだ、A、あれは──」
ハリーの上着を必死に引っ張るAの顔は恐ろしいほど蒼白で、怯えきって目を見開き汗が涙のように頬を伝っている。
見ると、ハーマイオニーも同じように顔を青くして震えていた。
「ハリー、あれ"闇の印"よ!!」
ハーマイオニーが呻くようにハリーに叫ぶ。
"闇の印"──？
『"例のあの人"の印!!あの人は誰かを殺すとき、決まってあの印を打ち上げたの!!』
「ヴォルデモートの──？」
『ハリー、とにかく急いで!!ロン、ロン!!急いで……!!!』
引っ張られながら振り返ると、ロンが慌てて立ち上がって走り出していた。
Aが振り返ってロンを急かしている時、目の前にどこからともなく20人ほどの魔法使いが現れて、4人を包囲した。
魔法使いは一斉に杖をこっちに向けている──。
考える余裕もなく、ハリーは3人を掴んで引き下ろしながら叫んだ。
「伏せろ!!!!」
「
頭の上をスレスレに呪文が通って、周囲の木々に直撃したのを感じた。ハリーの髪の毛が逆立った。
何が起こったのか、さっきから何一つ理解できていない。
ただ……まずい、今は杖を持っていない。
ハリーはわずかに顔を上げて魔法使いを見てから、Aや、ハーマイオニー、ロンに目線を移した。
Aはさっきまでよりもっと蒼白な顔をして地面に伏せている。
「(どうする──？どうしてこうなった？杖もないのに、どうやって彼女を護る──？)」
いや、杖もないハリーに護られる程Aは弱くない。それでも、ハリーはただ必死にAを背に隠した。
「やめろ!!!やめてくれ!!私の子だ──!!!」
聞き覚えのある声に、縋るようにハリーもロンも顔を上げた。
ウィーズリーおじさんが真っ青になって大股でやってくる。
Aやハーマイオニーと同じくらい真っ青だ。
「ロン──A──ハリー──ハーマイオニー──みんな無事か……？」
「どけ、アーサー」
心底心配するようなおじさんの声とは真反対の、無愛想で冷たい声。クラウチ氏だ。
怒りで顔を引きつらせている。
「誰がやった……？お前たちの誰が闇の印を出したのだ？」
「僕たちがやったんじゃない!!」
「僕たち、なんにもしてないよ!!何のために僕たちを攻撃したんだ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 419人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
