15話 ページ15
ウィーズリーおじさんの必死の声を合図に、フレッドとジョージがジニーとAの手を引っ張って森へ走り出した。
顔も見えない誰かに押しつぶされて、流されながら、ただ手を引っ張られる方向に進んで行く。
不安げに叫ぶ声、恐怖に慄く声、子供の泣き喚く声が夜の冷たい空気を伝ってAの耳にも届いていた。
『フレッド、フレッド、どうなってるの？!これ、何が起こったの？!!』
「仮面の魔法使い集団がマグルの家族を宙吊りにして騒いでる!!魔法省が止めに入ったけど、きっと乱闘になるぜ」
『マグルの家族を宙吊り……!？』
フレッドに引っ張られて走りながら振り返ると、所々燃え上がる騒がしいキャンプ場の方には、確かに高く浮かび上がった四つの影があった。
一人は見覚えがある。
キャンプ場の管理人、ロバーツさんだ。多分その奥さんと、子供二人。
魔法使いは彼らをグロテスクな形に歪めたり、ひっくり返したりして、それを見た他の魔法使いたちが高笑いしながらその後進に加わっていく。
『なにあれ──止めなきゃ!!!!戻ろうフレッド!!』
「ダメだA、巻き込まれて呪文を食らっちまう!!」
「それに、戻っても何もできないわ!!だってパパや兄さんたちが止めに行ったもの。きっとなんで逃げなかったんだってみんなに言われるわ!!」
『でも──』
もう一度振り返ると、宙吊りの奥さんが逆さまになっていた。
ネグリジェがめくれてむき出しになった下着を隠そうともがく奥さんを、下の群衆が大喜びで囃し立てている。
『ジョージ!!やっぱり私、一発くらい食らわせないと気が済まない……!!』
「A、俺もフレッドとジニーに賛成だ。今はとにかく走るんだ」
フレッドもジョージも、ジニーも、心配してくれているから止めるんだ。それは分かってるけど……。
『ハリー、ハリー!!』
そうだ、ハリー!!ハリーはきっと、一緒に来てくれるはず。
ハーマイオニーはきっと止めるけど、ロンは何とか説得すれば……。
『(──あれ？さっき振り返った時……)』
少し後ろを走っているはずの三人を振り返ると、そこには誰もいない。
焦って見回しても、後ろはたった今走ってきた森、森、森。
どうしよう、どうしよう───？
『フレッド!!!!』
「A、気持ちは分かるぜ、でもな──」
『違うの!!!違う、ハリーがいない!!ロンが、ハーマイオニーが──みんながいない!!!』
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
