【呪術廻戦】呪われないでね

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「その殆どが人間から流れ出た負の感情、"呪い"による被害だ」



「呪いぃ？」




「お前が信じるかなんてどうでもいいんだよ。続けるぞ。特に学校や病院のような大勢の思い出に残る場所は呪いが吹き溜まりやすい。辛酸・後悔・恥辱、人間が記憶を反芻する度その感情の受け皿となるからな」







伏黒の口からはポンポンと難しい言葉が飛び出して、更に置いてかれていく。


はんすうって何だ…？






「だから、学校には大抵"魔除け"の呪物が置いてあった。お前の拾ったものもソレだ」



「魔除け？ならいいじゃん。何が危険なの」



「魔除けと言えば聞こえはいいが、より邪悪な呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けない、毒を毒で制す悪習だ。その中でもお前の高校に置かれていたのは特級に分類される危険度の高い物だ」





「人死にが出ないうちに渡せ」






早くしろ、と言わんばかりの目つきで睨まれながら、ついでに最後の「渡せ」にかなり力を込められた。







「いやだから、俺は別にいいんだって。先輩に言えよ」






ポケットからその木箱を出して軽く投げると、伏黒は中を確認するなり眉間を寄せて目を見開いた。






「中身は!!？」


「だァから先輩が持ってるって!」


「そいつの家は!!？」


「知らねぇよ!!確か、泉区の方──…」






あれ、そういや今日先輩っちあれの中身───、






「なんだ？」



「そういや今日の夜学校で、アレのお札剥がすって言ってたな……え？」






伏黒がさらに眉間を寄せ目を見開いて、その緑がかった瞳が動揺したように微かに揺れた。








「もしかして…ヤバい？」








「ヤバいなんてもんじゃない…そいつ、死ぬぞ」




　

＊






はぁ、とため息。






さっきは「Aひとり高専に残しておけないぜ」なーんてキザったらしいこと言ったくせに、今私は紛うことなきひとりぼっち。






ポキポキ、という着信音にスマホを見ると、送り主は"伏黒恵"。







『…"ちょっと待ってろ馬鹿"』







くそぅ、馬鹿馬鹿言いやがって…、





先生は戻ってこないし。



まあ、上層部からの呼び出しだから仕方ない。




そもそも高専でプラプラしてていい人でもないしね。





何が言いたいかって、




だったら一人にしておけないとか言わないでよって話。






『はーぁあ!だからクソみたいな性格人類代表って言われるんだよ!!』


「だから言い過ぎだよね？？そろそろ泣くよ？」

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