【呪術廻戦】呪われないでね

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緑がかった瞳孔が焦点を定めないまま揺れている。





「…下手に出てりゃ偉そうに…そこまで言うなら──」






「──やってやるよ」




ただならぬ雰囲気を感じとった東堂は、ニヤリと笑い私の氷をいとも簡単に払って前に出た。





『恵、!!!』



「来い──!!!」








「"動くな"」







空気を切り取ったような声が響くと同時に、東堂の体がガチっと止まる。



言葉通り、動けないのだ。こんなことを出来るのはただ一人──、



揺れる、クリーム色の髪。






「何、やってんのー!!!」




そして、パンダ。





『棘先輩!パンダ先輩!』



「フゥ…ギリギリセーフ」


「おかか!」


「うん、まぁ…アウトっちゃアウトか」





顔面上半分血だらけの恵は、どう見てもセーフじゃない。



『大丈夫？』と覗き込むと、ぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。


私が顔を覗き込むとよくする、恵の癖だ。





「久しぶりだな。パンダ」


「なんで交流会まで我慢できないかね、帰った帰った。大きい声出すぞ？いや〜んって」


「言われなくても帰る所だ」





東堂は上着を探しながら、恵を見てからニヤリと笑った。





「どうやら退屈し通しってワケでもなさそうだ」


『いや〜んって私が言おうか？』


「そうだAちゃん、次会う時にはもっと成長していろよ。俺たちはお互いに好意を持ちあっているんだからな」





あれ、ちょっと待って、私達好き同士ってことになってるの？



非常にまずい勘違いをされてる……？？






『いや、恵のこと殴ったしもう嫌いだよ』


「さっき渡せてなかった牛乳を渡そう」


『いらない』


「骨が強くなって身長も伸びるぞ。今は身長も小さいが、いかんせん細い。細すぎる」


『どうしよう、話聞いてくれないタイプだ、』








「おいA、こいつに何したんだ？」


「すじこ…」


『全然何もしてないと思うけど、どうしよう、両思いになっちゃった』





そんな哀れな目で見ないで…!!


目線が痛い!!と目をそらすと、恵がなんとも言えない顔でこっちを見ている。




なんだその顔は。




例えるなら、まるで芋虫を素足で踏み潰したような顔だ。





『なあに？』


「いや、両思いってオマエ…、」


『あは、ヤバいよね。ゆくゆくはムキムキ夫婦とかになっちゃってたらどうしよう』


「は？夫婦って、そんなとこまで考えてんのかよ。……言っとくが、あいつ頭の中までパイナップルだぞ」


『おぉ、言うね恵』

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